04


「ママ!ママ!ママー!」

「帰ったらただいまでしょ。」

「それよりもどーいうこと!クリスマスはハワイで過ごすぅ?」

「ママてっきりあんたに言ってると思ってたわ。行っちゃうよ、ハワイに。」

「あたし仁王と過ごすと思ってた。」

「えー来年過ごせばいいでしょ。お姉ちゃんも来年就活だし家族でどっかで旅行するの最後かもだし。あと来年からパパ仕事忙しくなるらしいし。みんなハワイ行ってるから羨ましい。」


クリスマスにハワイへ行く理由、正直最後のが本音だと思う。

仁王と過ごせないし、えーとか言ってたけど内心ひゃっふーて感じ。心の中で紙吹雪舞ってる。仁王くん、ごめんなさい。こんなあたしで。


「ぼちぼち準備しなよ。1日前にあれがないこれがないって言ってもママ知らないよ。」

「分かったー」


部屋に戻り制服を脱いで部屋着に着替えた。学校の帰りに借りてきた海外ドラマ見よっと。

最近はまってるのはアメリカのハリウッドセレブとかが住む高級住宅街が舞台の青春白書の新作。前作のようにドロドロしていておもしろい。


「名字ーっ。」

「来るの早っ。」

「ピヨッ。」


仁王と別れてまだ15分くらいしか経ってないのにもうあたしの部屋に。あたしが見てるドラマのテーマソングを歌いながら仁王はベッドへゴロン。


「俺このシーズン見たぜよ。」

「あたしは見てないの。」

「教えてほしい?」

「いやっ。言ったら怒る。」

「ちっ。」


大人しく仁王も見てたけど、段々ひまになったらしくベッドをぽんぽん叩いてきた。


「おいでおいで。」

「ほいほい。」


あたしもベッドにゴロン。仁王は当たり前のようにあたしの胸に手を置いた。


「今日硬い。このブラいやじゃ。」

「知るか。」

「はー寒い。寒いなり。」


仁王がぐいっとあたしを引き寄せてきた。そしてうなじに頭をぐりぐりしてきた。


「摩擦で暖かいなり。」

「てっきり甘い言葉を囁くのかと思った。」

「欲しかったんか?」


仁王の手が再びあたしの胸へ、そのときドラマはラブシーン。もしかしてあやつは狙ってたのか?このラブシーンとこの現状を。


「ドラマのように俺らも愛し合っとく?」

「ママいる。」

「ママさん空気読んで出てったぜよ。」

「え。」

「誕生日エッチできんかったしクリスマスもできん。名字一週間後はハワイやし年明けるまでできん。なぁー」


そう言って仁王は顔のいたるところにちゅっちゅしてきた。


「くすぐったいよ。」

「しよしよ。なまえちゃん。」

「もぉー。分かった。」

「大好きなまえちゃん。」


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bkm
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