07



「触ったらブーって鳴るかな?」

「さぁ?」

「あの説明のラジオみたいなのレンタルすればよかったかな?」

「日本やし日本語で書いとるしええやろ。」

「そうだよね。てかさ、楽しい?絵見て。」

「んー心は落ち着くかのぅ。」

「分かる。なんか洗われてるって感じ。」


今日は仁王の誕生日。学校終わっ家に帰って私服に着替えてからデート。家出る前にプレゼント欲しいって仁王がぐずったから先に渡した。凄く嬉しそうにリュックを背負ってくれたから買ってよかったって本当に思った。高かったしね。

そして幸村に絵画展のチケットをもらったので美術館に。画家の名前はなんとなーく知っていて絵も1枚だけ見たことある。平日ってのもあって美術館は静か、そしておじいちゃんおばあちゃんばっか。


「幸村連れてったら絵の面白味が分かったのかな?」

「俺らついていけんと思う。ブンちゃんやったら変な解釈して1人で笑ってそう。」

「分かる!あとヌードばっか見てそう。乳首ばっか言ってそう。」

「そう考えたら俺らまだましじゃのぅ。」

「そうだね。絵可愛いとか触ったらどーなるとかだもんね。」


美術館を出て絵画展の感想?を語りつつ予約したお店に。


「やっきにく、やっきにく!」

「今日は特別に野菜食べなくていいよ。」

「ピヨッ。」


そう、仁王くんの大好きな焼肉。この店個室だし、焼肉特有の臭いが服につかなくて女性に人気なお店らしい。

お肉のセットみたいなやつを先に予約していたからドリンク持って来てもらったあと直ぐに持ってきてくれた。


「おー肉じゃ。」

「今日は焼いてあげる。」

「あー今日生まれてよかったぜよ。」

「明日は焼いてあげないよ。」

「プリッ。」

「そうだ、なんかクッパとか頼みたかったら頼んでね。」


今日はお肉たくさん食べるぞ!って思ったけど年々お肉を食べる量が減ってる気がする。部活してたときは本当に食べたのに今じゃ焼いてるだけで満足。

仁王は食べる量は衰えてないみたいでぱくぱく食べてる。今日はたくさん食べる日らしく焼肉にしてよかったと思った。


「他頼む?」

「大丈夫ぜよ。名字は?」

「大丈夫。仁王の見てるだけで食べた気する。」

「昔はよーさん食っとったのに。」

「本当それ。多分昔のあたしが今のあたし見たら驚くだろーね。」

「昔の俺も驚くぜよ。ごちそーさま。」

「じゃあそろそろ出よっか。」


仁王とどっちが払うかでバトルになったけど今日は仁王の誕生日だからあたしが払うで解決。店員さんもあたしらの争いに少しってかめっちゃくちゃドン引きしてた。

外出たらすごーく寒くて仁王に「手繋ぐ?」って言われて繋いでみたけど仁王の手が氷のように冷たくて繋ぐのをやめてしまった。


「なんか悲しいなり。」

「頑張って手温くしといて!それまでは肩組も!」

「えーあれ腰痛い。」

「えーじゃあ腕組み!」

「それなら温いしええよ。」


腕組んだらコートの冷気がぎゅっときたけど段々暖かくなってきた。


「なんか腕組むとペアルックのカップル思い出す。」

「なんで?」

「なんか知らないけど。」

「ふーん。なぁチューしたい。」

「焼肉食べたからいやだお。」


会計の時ガムもらったけどなんかいやだ。まだくさそう。


「無理だお。俺誕生日だお。誕生日誕生日誕生日誕生日誕生日。」

「あーもううるさいなぁー」


腕組みをやめて仁王の肩をグッと押して仁王を縮めて焼肉食べた唇にチュッとしてあげた。


「これで満足か?」

「なんかロマンチックじゃないけどまぁええわ。お前からしてもらえるなんてレアやからのぅ。」


そう言って仁王の顔が近づいてきてはむっと下唇を甘噛みされてチュッとされた。


「満足満足。」


恥ずかしかったし急にされたからビックリしたけど本日の主役が満足ならいっか。


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