03



「テニス部以外の吹奏楽とか運動部の人らのカバンに絶対フェルトで作ったお守りあるよね。」

「テニス部のマネージャーたちは指先が器用じゃないしお守りなら買えとか言ってきたらしいぜよ。」

「へっへぇーそうなんだ。」


お互い寝ようとはせず、ずーっとおしゃべり。しんどいから寝たいけどついつい話してしまう。


「軽音部ですらお守りあったのぅ。」

「そんなにほしかったの?」

「いらん。」

「じゃあ欲しそうにしないで。」

「プリッ。」

「てか最近バイトどう?」

「んー別に普通なり。」


仁王はモデルのバイト?読者モデル?をしつつお姉と寝たあのイケメン店員がいるセレクトショップでバイトしてる。

仁王は人気の読者モデルと仲良くなってそいつらのブログとかに登場したりしたから少しずつ人気がでてるらしい。


「名字は?」

「最近慣れた!でもやっぱり大変かも。」


あたしも実はバイトを始めた。そのバイトとはパパの事務所の事務員。最近1人辞めてしまって困っててあたしが第抜擢。書類作ったりハンコ押したりお茶出したりブログ書いたり言葉にすると楽そうだけど案外大変。


「他に派遣とかしよっかなーって思ってる。」

「ふーん。なんかヒマ。」

「あたしは寝たい。寝ていい。」

「いーやーじゃあああ。」


少し離れて寝ていたのに勢いよく抱きついてきてぎゅーって乳を揉んできた。


「モミモミやめて。あたしら熱で休んでんの!あたしはしんどくて寝たいの!」

「ちっ。おとなしくしとくからおっぱいに手置いててもええ?」

「それ以外はなにもしないでね。」

「おん。」


とりあえず寝れる。仁王は大人しくあたしの乳に左手を置いて右手でケータイをいじってる。あっとかくそっとか聞こえるからゲームしてんのかな。


「名字寝た?」

「寝た。ちょー寝てるやっべええ。」

「寝てない。」

「やっぱり。」

「いざ寝ようとすると眠れない。」

「分かる。なんか話して。」

「えーどんな話?」

「んージャッカル。」

「えージャッカルの話題とかないよ。最近会ってもないし。」


ひたすら仁王におもしろい話しろとか幸村には言えない話しろとか言われて凄く大変だった。

仕返しにと仁王に真田のすべらない話しろとかバイトの話しろとか言ったけどそんなに話は広がらなかった。


「赤也は?」

「もじゃ?もじゃは彼女とよく再テストとか補習受けてらしいよ。」

「彼女もバカなのか。」

「うん。」

「そういや、いっつもつまらんことでケンカしとる。」

「低レベルな戦いかーあたしらしないよね?」

「する必要ないなり。」

「ある意味マンネリ化?」

「そう思えばそうなるなり。」

「刺激が足りない?でも平和で楽しいよね。」

「ケンカは疲れる。中学の時学んだ。」

「うん。なんか時間の無駄。あと何年も一緒だからお互いのこと分かってるよね。こうしたら仁王は怒るからやめとこって。」

「分かるぜよ。それ。」


中学の頃、付き合って1年くらいは毎日ケンカに明け暮れてた。仁王冷たいし女の子と遊ぶし。だからあたしもって男子と遊んで仁王無視して、会えばケンカって感じ。赤也と赤也の彼女のケンカは可愛らしいケンカだけどあたしらのは冷戦って感じ。

毎日泣いて怒ってそれが疲れて別れようかと考えたときに幸村倒れてそっから何か仲直り?になって話し合って今に至るって感じ。ある意味幸村に感謝。


「今後するのかな?」

「環境変わるとやっぱあるのかもしれんのぅ。」

「そうなったら辛いと思うけどお互い頑張ろうね。」

「おん。なんかよぉ分からんけど分かる。」

「さっ張り切って寝よ。」

「俺も張り切って寝よ。」


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