02




「あつい。」


お互い体温が高くシングルベッドで密着してるから余計に暑い。


「俺は寒いぜよ。」


そう言って余計に引っ付いてきた。足も絡めてギュッて抱きついてきた。


「暑いからそれだけはやめてよ。」

「傷つくぜよ。」

「じゃあ薄着になる。」


上下のスウェットを脱いでTシャツにショーパンになった。汗かいたから涼しいかも。

布団に潜ると仁王がまた引っ付いてきた。


「いつもはこんなに引っ付かないのに。」

「風邪だと心も弱るんじゃ。」

「ふーん。てかさー仁王って大学なってもテニスするの?」

「話変わりすぎなり。んー大学の部活は高校の部活とは違うし俺の学部は課題がたくさんらしいぜよ。多分するならサークルじゃな。」

「みんなテニスしないのかな?」

「こないだ柳生と話してたんやけどやってもサークルぐらいじゃなってなった。」

「なんか一気にバラバラって感じだね。」

「プリッ。」

「そーだ。この時間はスッキシ!やってんだった。」

「えー俺ん家アニメ。」

「仁王はまさおがおるからやん。」


まさおは仁王の弟。小学6年生。本当はまさおじゃないけど面白いからまさおって呼んでる。本人は嫌がってるけど。


「見てやるかのぅ。」

「わー上から目線。」


2人でおとなしくスッキシ!を見てると芸能ニュースになった。最近の芸能ニュースは芸人とグラビアアイドルが結婚したってくらいしか話題がない。


「やっぱ最近芸能界も刺激がないねー」

「平和やからええことじゃ。」

「ハム造の仕事なくなるよ。」

「あいつはもうすぐ年末年始ハワイで芸能レポートするから大丈夫じゃ。」

「あーそうだね。忘れてた。あれ?」


テレビからさっき聞いた声。テレビに目を向けるとパパが出ていた。テレビ仕様で頭もセットされててすごい。


(最近プライベートで大変だったこと?えーと、下の娘の体育祭で玉入れしたことですかね。全然ロックじゃないんですけど。)

(玉入れはロックじゃないですねー)

(娘の敵チームで参加しちゃって怒られました。)

(それは怒りますよ娘さん。)

(上の娘と参加したんですけど、どのチームか分からんからイケメンがいるとこがいいって。)


インタビューでパパはこの間の体育祭について話していた。てかパパがロックにこだわったから敵チームで玉入れしたんじゃないの?


「外仕様のパパさんじゃ。」

「外仕様とか言うと家でのパパがブサイクみたいじゃん。やめてよ。てかお腹触らないで。」


仁王は私の服の中に手を突っ込みお腹をブヨブヨ触っている。熱あるくせして手はすごく冷たい。だからお腹が冷える。

「えー俺とパパさんどっちがイケメン?」

「パパ。」

「何で。」

「今胸触ってるから。」


そう言った瞬間仁王は手を胸からお腹へ移動させた。


「どっち?」

「大人の色気には勝てないよ。仁王も40代になったら勝てるよ。」

「ちっ。」


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bkm
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