07



お鍋はとても美味しかった。エリンギも入ってたからね。やっぱエリンギがよかった。買いに行ってよかった。

仁王は相変わらずお野菜を食べなくて無理やりお皿に入れて食べさせた。跡部はバランスよく肉と野菜をたべてるのに。


「はーお腹いっぱい。」

「お鍋って野菜たくさんあるから太らないとか思って余計に食べちゃうよね。」

「分かる分かる。」

「お前らバランスよく取って食べろよ。」

「それができないから困る!」

「そーそー!みっちゃんの言う通り。」


最初は野菜たくさん食べるんだけどいつの間にか〆に入れたラーメンばっか食べてちゃうんだよね。あと余った肉とかホイホイ胃の中へ。


「ふー片付けてママはパパの打ち上げに顔出してくるから。」

「私たちで片付けるんでママさん行っちゃってください。」

「そう?じゃあお願いしちゃうね。」


そう言ってママはルンルンで支度を始めて完璧モードで出かけてった。今日はパパの仕事とは久しぶりのファンクラブ限定のライブ。

ママはパパがライブでファンの人に愛してると言ってるのをあまり見たくないらしくライブにはあんまり見に行きたがらない。アニバーサリー的なときには行くみたいだけど。

あたしは関係者席に有名人がいるときだけ行く。こういうときに芸能人の娘を発動させないとね。この間AV男優が来たときは驚いたけど。あたしは知らなかったんだけどお姉がね?うん。あたしは知らなかったよ。うん。


「そうだ。見て見てーこの間車の免許取ったの!」


みっちゃんは財布から免許を取り出し自慢してきた。自慢してるんだけど指で顔を隠している。相当ブスだったんだ。


「いいなーあたしも取りたいけど仁王がまだ17だから我慢。」

「お前ら2人で行くのか?」

「仁王がさみしいって言うから。」

「ピヨッ。」


あたしは18になった途端取りに行こうと思ったんだけど仁王が2人で一緒に行きたいと駄々こねられたから12月までお預け。


「でも仮免とるまでだったらら17でも教習所通えるよね?多分。」

「ああ。仮免の試験で18になってたらいいから仁王も教習所通うことができるぜ。」

「まじ?やった!仁王通うよ!」

「おん。今度教習所行くぜよ。」

「いいこと聞いちゃったねー跡部も免許持ってんの?」

「ああ。ほら。」


跡部も財布から免許を取り出して見せてくれた。跡部はみっちゃんと違って親指で顔写真を隠さず堂々と見せてくれた。証明写真でも跡部はお美しい。


「じゃあさ!今度車でどっか行こうよ!」

「みっちゃんナイスアイデア!いつ行く?」

「今でしょ!で、いつがいい?」

「何だ?今のやりとり?」

「いつものことなり。」


仁王と跡部はほっといてあたしらはスケジュール帳を開きいつにするから緊急会議。


「来週の土曜日は?」

「ひまひま!仁王と跡部は?」

「俺はその日は空いてるぜ。」

「俺も大丈夫なり。」

「んじゃその日ね!どこ行くからこのみっちゃん様に任せて!」


急遽決まったドライブ。あたしはスケジュール帳にでかでかとみんなでドライブと書いて車のシールを貼ってみた。


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