06



エレベーターホールでゲームをしながら待っているとピンポーンとエレベーターの扉が開いた。エレベーターの中には風呂洗いを終えた仁王が。仁王は出てこようとしたけど押し込んで2人でエレベーターの中へ入った。


「えーどこ行くん?」

「スーパー。ママがエリンギ買うの忘れた。」

「俺も行くん?」

「1人じゃつまんないじゃん。」

「ほー淋しいんじゃな。」

「ちゃうわい。」

「ふーん?」


名字は不服そうな顔をしてママさんからもらったであろう500円玉をイジイジしてる。

スーパーはマンションから5分。2人で競走しながら行ったから3分で着いた。


「仁王ずるいよ!男と女では違うんだから。」

「さっきは女だからなめんなよ!って挑発しとった。」

「あれはあん時。今は今!」

「はいはい名字の勝ちでええから早よエリンギ買うぜよ。」


不服そうな顔した名字をほっといて先にスーパーの野菜コーナーへ。エリンギを探していると名字がお菓子を抱えて俺んとこに来た。目でこれ買ってと訴えてる。なんかかわええ。


「ねぇダメ?」

「ええけど俺ノーマネーじゃよ?」


名字に急に連れて来られたから財布は名字ん家。ポケットの中には家の鍵とリップしかない。


「あたしママからもらった500円しかない。」

「じゃあ抱えてるたくさんのお菓子の中から1つにしんしゃい。」

「はーい。」


また不服そうな顔をして名字はお菓子コーナーへ戻って行った。俺もエリンギを見つけたからお菓子コーナーへ行った。


「まだ決められないから待って。」


名字はポッキーと極細ポッキーで迷ってるらしい。さっきからずーっと見てる。


「あのね、極細だとパリパリって砕ける感じが好きなの。普通のはパッケージが好きなの。」

「そりゃ簡単じゃ。極細。はい決定ー」


名字から極細ポッキーを取り上げてレジへ向かった。名字は本当にこれでよかったのかという顔をしている。明日普通の買えばええ。


「さっ帰るかのぅ。」

「うん。」


名字の手を取り、帰りはゆっくり時間をかけて5分の道を10分かけて帰った。帰ったら色んな奴らおるしのぅ。


「仁王の手ってすべすべだよね。あたしよりもすべすべ。」

「そうか?分からんのぅ。」

「うん。でもパパが最強にすべすべ。」

「へー」

「興味なさそう。」

「俺がパパさんの手に興味津々だったらキモいじゃろ?」

「まぁそうかも。」

「な?」

「あ、ポッキー食べたい。」


俺が右で持ってる袋を取ろうとしたから右手を挙げた。今食べたら晩ご飯食べられんくなってママさんに怒られる。


「あ!邪魔すんな!」


頑張ってジャンプして袋を取ろうとする名字。なんかかわいそう。


「今食べたらママさん怒るなり。それに太る。」

「分かった。明日にする。」

「そーそーそうしんしゃい。」


頭をガシガシ撫でると名字は子供扱いすんなと言ってきた。しかしどー見ても子供扱いしたくなる素振りしてくるから無視して頭を撫で続けた。


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