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秋と言えば食欲の秋だ。走りたくもないし読みたくもない。マンガなら読むけど。

食欲の秋ということでさつまいものアイスやケーキ、お菓子などたくさんさつまいも味のものがでている。栗も好きだけど栗は甘栗でいただくのが1番だ。

しかし今はさつまいもだの栗だの言っている場合じゃない。なんたって、


「っしゃ!3-B!今日はただの体育祭の予行練習じゃねぇ。これを勝たねぇと本戦には出れねえんだ。負けたらずーっとイスに座って走ってるやつら見てるしかすることねぇんだ。お弁当タイムを待つくらいしかすることねぇんだよぃ。」


体育祭だ。立海はマンモス校で体育祭もすごい。普通体育祭ってみんな参加できるんだけど我が校はクラスが多過ぎてみんな参加できない。予行練習の日に競って当日の体育祭本選に参加できるのだ。

うちのクラスは体育実行委員でもない丸井を筆頭にやる気を出している。ちなみに体育祭実行委員はみっちゃん。みっちゃんも燃えてるけどみっちゃんは他のことで燃えてる。何かって?最近同じく体育祭実行委員のH組のナイスガイにお熱らしい。まだそのナイスガイを見たことないけどみっちゃんがナイスガイっていってんだから相当なイケメンだろう。


「あたし何に出るんだっけ?」


出場競技を決めたのは先月だから覚えてない。多分、騎馬戦と台風の目とパン食い競争だったはず。


「なまえはー騎馬戦と台風の目だよ。自分の競技くらい覚えてよ。」


パン食い競争は妄想だったらしい。パン食べたかったなー

体育祭は外ではなく大学の体育館で行われる。二階席がありすごーくでかい。クーラーがきいていて涼しいし日焼けの問題もない。


「ふーっ快適じゃのう。」

「私立最高だね。」


席に座って体育祭のプログラムをペラペラめくっていると仁王がドスンと座ってきた。仁王は何の競技に出るのかきいてみたら借り物競争とパン食い競争だった。うらやま。


「てか仁王、あんた運動部だったんだから徒競走とか点稼げそうなやつ出なよ。」

「50mのタイムみながらそういうの決めたけぇ俺は外されたなり。」

「本気出さなかったからでしょ。」

「真田が見てた。だからちゃんと死ぬ気で走ったなり。」

「そー言えばそうかも。女子は女子でタイム計ってたのになぜか真田がそこにいて怒鳴られたよ。」

「なぁ、今年のうちんとこって何団?」

「確か赤だよ。」


クラス対抗以外に団分けもあってそちらでも盛り上がる。応援合戦がクラス対抗リレー並みに盛り上がるんだよね。団の中から選りすぐりのイケメンが選ばれてこれがたまんないんだよね。


「赤…あ、C組も一緒じゃ。」

「わ、それじゃあ赤団優勝だ。」

「C組は球技大会でも優勝してたからのぅ。しかし1年のC組は球技大会初戦敗退してたなり。」

「まぁ、他に強そうな2年S組も赤団だし大丈夫。それに優勝候補のクラスがいても優勝できるか分からんよ。去年もそーじゃん。」

「3年M組率いる黒団最下位じゃったのぅ。」

「でしょ?あ、行進の練習するみたいだから一階に降りないと。」


30分くらい行進の練習をした。体育祭実行委員でもない真田がなぜか教員ばりに指導をしていた。隣にいたあっきーがテニス部は体育祭やる気があるなーと褒めてきた。真田と丸井だけだよ。ほら、右隣のクラスの幸村なんて欠伸して隣にいる女子の肩に肘ついて楽してんじゃん。左隣のクラスの柳生は座っちゃいけないのに座ってる。そして我がクラスの仁王は後ろでリズムフォーして「におにお。ちょる5。」って盛り上がってる。だからあっきーの意見は間違ってる。てかリズムフォー懐かしいな。


「えー今から昼休み休憩です。13時30分から再開します。えー次は台風の目から始めるので台風の目に参加する人は少し早めに集合してください。団体競技は予選がないのですが慣れるために1度します。台風の目が始まったくらいに次の競技のパン食い競争予選の招集始めるので遅れないように。では、解散!」


教頭の一言でみんなゾロゾロと二階へ戻った。昼休み後から動くのだるいなー


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