07


今日は跡部の誕生日だ。そして、跡部の誕生日パーティーだ。てっきりホームパーティーを想像してたんだけど違ったみたい。クラブかどっか会場を貸し切って誕生日パーティーだって。海外ドラマかよって思った。

服装も女はドレス、男はスーツだって。人の誕生日パーティーで服を指定されたのは初めて。何を着ればいいのか分からずお姉に相談。そしたらドレスが可愛いと評判のブランドのやつを貸してくれた。で、ヘアセットとメイクは美容室でしろと言われた。

仁王にそのことを言うと自分も美容師にヘアセットしてもらいたいと興奮したため2人でパーティーに行く前に美容室に行くことにした。

肝心の跡部への誕生日プレゼントはハゲるほど悩んで仁王と2人でお金を出してLINEのギフトカードにした。よくスタンプ買うしナイスチョイスなはずだ。物だと跡部の好みもあるしはずれたら嫌だし迷ったときはギフトカード。


「なまえーっ、まーくん迎えに来たよ。」

「行くー!」


ドレスに着替え玄関へ向かった。仁王はビシッとスーツを着ていて遊びで可愛らしいブローチをつけてマジイケメン。


「あ、仁王持ってきた?」

「完璧なり。」


そう言って仁王はポケットからグラサンを出してかけた。あたしもそれを見てグラサンをかけた。そう、2人で今日はいきってやるぞと意気込んでいるんだ。まずは美容室までは2人で仁王のお姉様にお土産でもらったグラサンをかけて入店。以降は考えていない。


「あんたらまさかそれで美容室まで行く気?」

「そーだよ。格好いいでしょ。」

「いきってるようにしか思えない。」

「それが目的じゃ。」

「恥ずかしいから送ってく。」


そしてお姉に無理やり車で送られたのであった。


「何で今日に限って雨なのかなー」

「せっかくいきってるのにのぅ。」

「跡部くんが雨男なんでしょ。」

「お姉って跡部と知り合い?」

「うん。今日も招待されてたんだけど友達の誕生日パーティーかぶってたから申し訳ないけど断った。」


15分くらいして美容室に着いた。あたしと仁王は別々の席に案内されて別々でヘアセットしてもらった。

30分くらいしてあたしのヘアセットがおわった。素人のあたしではできない仕上がり。やはり金を払ってでも美容師にやってもらった方がいいね。凄いよ。しかも今日は雨だし。


「仁王お待たせー!」


すでにヘアセットを終えてた仁王を美容室のソファへ迎えに行った。仁王は雑誌を読んでたから下を向いていてどんな仕上がりかわからなかった。呼ぶと顔を上げてくれていつもとは違う感じの仕上がりだった。やっぱプロがすると違う!

美容室から跡部の誕生日パーティーの会場は近いので歩いて行くことに。5分くらいしてパーティー会場の建物に。


「で、でかい。」

「プリッ。」


建物はすごーく高い。何階だろ?と招待状を見ると35階。これまた高い。

建物内に入るとエレベーター待ちの鳳くんと宍戸くん?がいた。名前あってるかな。でも確かそうだ。


「よ。」


珍しく仁王から声を掛けた。声を掛けられた2人は仁王を見ると誰?って顔をした。そういえば仁王イメチェンしたんだった。分かるわけないか。


「久しぶり。仁王と立海のテニス部のマネージャーの#名字#です。覚えてる?」

「覚えてるぜ!会ったの1ヶ月前だし。#名字#久しぶり。お前仁王だったのかよ。全然分かんなかったぜ。」

「この髪型もウィッグですか?」

「違うぜよ。イメチェンしたなり。もーすぐ受験じゃし。落ち着かんと。」

「立海に上がるんだろ?」

「おん。気分じゃよ、気分。」

「凄く似合ってます!黒髪短髪!」

「褒めても何も出んよ。今は跡部へのプレゼントしかないなり。」


35階に着いた。ドアが開くとゴージャスな音楽が、流れていた。鳳くんは何とか何とかだと嬉しそうに音楽を楽しんでいた。あたしはゴージャスな音楽、クラシックはあまり分からないので知ったかぶっといた。

受付で名前を言っていざ跡部の誕生日パーティーへ。人がたくさんだ。あれだよあれ、ゴミのようだ。

ウエイターがドリンクを運んでて立食パーティーだ。見たらお腹空いてきた。


「仁王、食べよ。」

「その前に跡部に挨拶せんと。」

「そのうち会うでしょ。だから食べよ?」

「仕方ないのう。」

「やったー!」


早速お皿にサラダとローストビーフを乗せた。ローストビーフはわさびが少しきいていて美味しい。仁王は肉肉肉。野菜も食べさせないと。


「仁王、あーん。」

「いやじゃ。野菜食べさす気じゃろ。」

「当たり前じゃん。あんたモデルの仕事してんだから野菜食べないとお肌に悪いよ。」

「大丈夫じゃ。」

「だめ。パパも昔はロックは野菜なんか食べないとか言ってたらしいけど体調崩したり肌荒れたりしたから野菜食べるようになったってママが言ってたよ。」

「仕方ないのう。あー」


本当に仕方なそうに口を開けた。しかも小さく。むかつくからたくさん取って口に突っ込んでやった。仁王苦しそう。


「お前ら主役がここにいんのにイチャつくんじゃねーよ。」


おっと、本日の主役跡部様がお出ましだ。高級そうな靴にスーツ、ネクタイ、そして完璧にセットされた髪型。王子だ。キングとか言われてるらしいけどありゃ王子様だ。


「いちゃついてないよ。仁王に野菜与えてたの。」

「与えてたって俺はウサギじゃないなり。」

「それをイチャつくって言うんだよ。ったく。」

「あ!跡部、お誕生日おめでとう。」

「おめでとさん。」

「おめーら、ついで見たいに言うんじゃねーよ。」

「ほほほほ。あ、そうだ!仁王!」

「あ、これ。プレゼント。」


仁王が跡部に誕生日プレゼントを渡した。


「ありがたく頂くぜ。開けていいか?」

「んー帰ってから?今楽しめる物じゃないしね。」

「そうなり。寝る前にでも開けんしゃい。」

「おう。じゃパーティー楽しめよ。」

「ありがとう、楽しむね。」


そう言って跡部は違う招待客のとこへ行った。あたしたちもパーティーを楽しんだのであった。


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