06


「あれ?まーくんは?」


撮影が終わってインタビューの準備まで休憩らしくパパがあたしのとこまでやってきた。


「なんかモデルが足らなくて助っ人しに行った。」

「へぇーまーくんが。」

「うん。多分ね、モデルのリリーちゃんに会えると思って行ったよ。」

「まーくんも男だねー」

「だねー」

「ヤキモチ妬かないの?」

「んー妬くのかなぁ?リリーちゃんに会ったのか知らないからどうも言えないし、リリーちゃんには彼氏いるからね。」

「ふーん。チビも大人だねーママはよく嫉妬してたよ。」

「ママはママだよ。」

「そうだよね。」


ママは今でも嫉妬しまくり。仕事仲間の女の人ならまだしも、あたしとかお姉にも嫉妬。


「パパの服かっこいい。」

「ありがと。やっぱりスタイリストに選んでもらうと若いわ。それに先取りしたりしてるし。」

「スタイリストってただ着せるだけじゃなくて先取りとかもしちゃうんだ。すごい。」

「後で買い取りしちゃおっかな。」

「じゃあー後で服買ってほしいな。」

「え?」

「え?」


この服を買うというノリで服を買ってもらおうとしたけど無理だった。


「こないだも買ってあげたじゃん。それにママが買いすぎって怒ってたよ。」

「違う!それはその時ママがいなくて嫉妬してたの!それにママはあたしの服好きってよく言うよ。」


確かにママはあたしの服を好んで着たりしている。でも服買い過ぎて怒られたのは事実。嫉妬うんぬんが原因ではない。しかしパパは信じるはず!


「そーなんだ。じゃあ買いに行く?あ、まーくん忘れてた。」

「本当だ。まーくんも連れて行く。」

「モデルデビューしたまーくんに選んでもらったら?」

「えー欲しいやつ買うからなーでも迷ったらモデルデビューした仁王に頼む。」

「じゃ、インタビューしてくるから待ってて。」

「うっす!」


また1人になった。携帯を見ると跡部からLINE。来月跡部の誕生日パーティーがあるから来てくれと。仁王と。しかもドレスで。本格的なパーティーらしい。海外ドラマのパーティーをあたしは想像している。楽しみだ。

そして幸村からも一件。赤也に彼女ができた!って。幸村がはしゃいでて可愛いけど知ってるんだよなー知ってるって返したら機嫌損ねるから知ってるとか知らないとかで返さず”かわいい?”で返す。あー天才的ぃ。

(赤也のくせして清楚系)

(写メは?)

(はい)

そう言って送られてきたのは無理やり撮らされた感満載の赤也と彼女で撮った写メだった。二人の後ろにある鏡が反射して幸村まで写ってる。気持ち悪いくらい美しい笑顔だ。その幸村の笑顔をアップしてスクリーンショットして幸村に送信した。

さっきまで会話のようにLINEてたのに返ってこなくなった。トイレかな?と思いつつ幸村とのLINEを見てたら既読スルーとやらをされていた。ま、いいや。

もう一度赤也と彼女のツーショットを見てみた。白い肌で髪は真っ黒でゆるふわに巻いていて可愛い。赤也のくせして。まぁ赤也もテニス部の部長だしモテる要素はあるよね。モジャってるけど。


「名字!名字!」


撮影を終えたらしい仁王は、興奮してあたしのとこにやってきた。


「そんなに興奮して。どーしたの。」

「やばいなり!俺、リリーちゃんと撮影したなり。」

「え?リリーちゃん?あのリリーちゃん?」

「ほれほれ!」


仁王が携帯を渡してきて見るとリリーちゃんが。しかも仁王とツーショット。あたしといるときよりも笑顔な気がする。うん。でも、


「仁王すごいすごい!!リリーちゃん可愛い!」

「じゃろ。ムービーも撮ってもらったなり。」


ムービーを再生してもらうとなんとリリーちゃんからあたしへのメッセージだった。動いてるリリーちゃん可愛い。声が低いとブログとかに書いてたけど本当に声が低い。でもそれが可愛い!


「仁王あんた最高!」

「できる彼氏でよかったのぅ。」

「うんうん。よかった!LINEに送っといて。」

「おん。…送っといたなり。」

「着たーー!あ、来月ね跡部が誕生日らしくてパーティー招待されたよ。」

「ほぉ。」

「しかもドレスで来いだって。あ、仁王はスーツね?」

「俺もドレスとか言われたらいやじゃ。」

「だよね。パパのインタビュー終わったら買い物ね?」

「おっおん。」


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