06



文化祭2日目。今日もみっちゃんとブリブリしながらお客さんを勧誘。相変わらずあたし達のぶりっ子に男は引っかからない。

その光景を見ていた隣のC組の屋台で楽しそうにホワイトソースをバナナに塗っていた幸村がやって来て、ホイホイ女の子を勧誘してた。ドヤ顔マジむかつく。

ダブル丸井は今日もガチで女の子を捕まえに行ってる。脅し文句は「俺ら2人とも丸井なんだけどさーどっちの丸井がタイプ?」女の子は苦笑いしながら逃げる。鉄板ネタ。

仁王はガキンチョ同士で噂が回りゴムパッチンの兄ちゃんと呼ばれていて嫌われていた。

B組で貢献してるのは多分ギャル軍団と思われる。老若男女ホイホイ捕まえて売り上げを上げている。見た目ギャルだけど。


「みっちゃん、釣れないねー」

「ねー」

「でも仁王は客から嫌われてるからねー」

「ねー」

「幸村は立海の女なんてとか言いつつ女引っ掛けるからねー」

「ねー」

「ダブル丸井は論外だよねー」

「ねー」


段々勧誘に飽きてきてみっちゃんと座っておしゃべり。所謂サボりというやつだ。C組で買ったチョコバナナを頬張って。あ、ホワイトソースじゃないよ。


「C組のチョコバナナホワイトソース味売れてるのかな?」

「男には売れてるらしいよ。C組は純粋そうな女の子に買ってほしいみたいだけど。」

「でもホワイトチョコも美味しそうだよね。」

「うん、でもさーホワイトソース味を買わない理由が下ネタ的な理由だったらその純粋そうな女の子も変態だよね。」

「みっちゃん!そんな話せてたらあたしらも変態だよ。」

「そーだね。」

「ね。」

「名字せんぱーい!」

「あ!もじゃ男!」

「もじゃ男って呼ばないで下さいよ!」


もじゃもじゃの綿菓子を両手に持って赤也が走ってきた。赤也久々だ。


「切原くん、いいの持ってんじゃん。」

「みっちゃんさん、あげませんからね!これは!」

「誰の分なの?赤也?」

「誰でもいいじゃないっすか!」

「そう言われると気になるねー」

「ねー」


赤也はすこーし恥ずかしそうにぼそっと「彼女のっす。」と言った。え?


「彼女?みっちゃん、彼女って!」

「あんた彼女できたの?」

「昨日できたんすよ。」

「文化祭ラブかよ。言えよ!赤也!先輩でしょ!」

「昨日は舞い上がってそれどころじゃなかったんすよ。」

「あーね?まぁ許すよ。じゃあ今度話聞かせろよ。」

「うっす!じゃあ!」


そう言って赤也は両手にもじゃもじゃ綿菓子を持って走って行った。


「あたしも仁王に走ってきてほしいな。」

「仁王って走るキャラじゃないもんね。」

「ね。」

「はー切原に彼女かー!くそっ。なんでわたくしにはいないのかなー」

「ねーあ!漫画とかだと案外こういうのは近くにいるんだよ?」

「そうだよね!ありえないやつと付き合うんだよね?」

「ありえないやつねーんー真田?」

「あはははっ無理!」

「想像つかないや!」

「おい、2人でサボりとはええのぅ。」


ガールズトークで盛り上がっていると仁王がフラフラやってきた。赤也は走ってきてくれたのに。


「サボらず戻ってこい。ダブル丸井がうるさいなり。」

「はーい。」

「戻りまーす。」


よっこらせっとじじくさくみっちゃんと立って3人でフラフラ自分たちの屋台へ戻った。


「てかなんであたしらの場所分かったの?」

「んー愛のテレパシー?」

「ひゅーっ。」


みっちゃんのせいでなんだか恥ずかしいや。




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