01


「ただいまんごーむーすりっぽん。」

「おかえりー」


ママが出迎えてくれると思ってたらまさかのパパ!パパ!


「パパー!」


嬉しくて嬉しくてパパにハグ!


「チビ久しぶりー」


パパはあたしのことをチビって呼ぶ。小さい頃あたしはどのクラスでも1番前なくらい小さかったから。今はでかいのにね。


「久しぶりって言っても3日だよ。」

「3日もだよ。普段も日曜日以外は朝しか会わないしね。」


パパの職業は歌手。仕事で関西に行ってて、普段は夜に仕事をして朝に帰って、だからパパに会うのは朝か休日の日曜日くらい。

元はロックバンドのボーカルだったんだけど解散してソロで活動している。たまに、他の歌手とかアイドルに曲を提供もしている。

バンド時代のパパのことはあまり覚えてないが、番宣で出るトーク番組を見ると怖いくてカリスマだったらしい。

今もパパはおしゃれだしイケメンだと思う。たまにあたしの格好に文句言うけど。でもあたしにとって自慢のパパだ。


「はい、お土産。」

「わ!八ツ橋!生だ!」

「一緒に食べよ。」

「うん!あたしコーラね!」

「はいはい。」


パパはキッチンにコーラを取りに行って、あたしは生八ツ橋を準備。

包装紙を綺麗に開けるのは性に合わないからビリビリと開ける。ママもビリビリ派。ママ曰くアメリカの血が流れてるからこういう開け方をしてしまうらしい。母方の親族みんな100%日本人だけどね!


「あーまたそんな開け方して。綺麗に開けれないの?」


コーラを持ってきたパパは呆れた顔をしていた。


「ロックな開け方でしょ?」

「これとロックは関係ないだろ。」

「えー!まっいっか!いただきまーす。」


生八ツ橋を堪能していると跡部からLINEが来てた。新しいスタンプを買ったらしい。うらやま。


「まーくんからLINE?」

「違うよ。他校の友達。めっちゃ金持ちで新しいスタンプ買ったら自慢してくるの。」

「へーこないだ俺も買ったよ。」

「何?」

「ガンダム。」

「あーね。」


パパはガンダム世代だったんだ。カリスマでもガンダムはお好きみたい。


「チビも欲しい?」

「うん。でもねー欲しいスタンプがないの。あ、仁王だ。」

「てかさ、チビはまだまーくんのこと仁王って呼んでるの?いつまーくんって言うの?」


お姉みたいなこと言ってくるパパ。あたし以外の家族は仁王のことをまーくんって言ってる。


「いいじゃん、別に。いつかは言うよ。いつかは。」


噂をすれば仁王からのLINE。開いてみるとSOS LINEだった。どうしたんだろ?とりあえず仁王の家行ってみよ。


「パパ!あたし仁王ん家行ってくる!」

「はいはい。避妊はちゃんとしろよ。パパ、まーくん好きだし息子みたいだと思ってるけど結婚はまだ早いよ。」

「パパ!もう!いってきます!」


prev next
bkm
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -