04


「もー食べていいかな?」

「んーいいじゃろ。もし生っぽいんじゃったらまた煮込めばええ。」


お姉のバイト先のちゃんこ鍋なう。働いてるお姉と目が合うたびニヤニヤしてる。あんなんで給料を貰ってるんだから世の中不幸平だ。

仁王にお鍋の具合をチェックしてもらい、仁王にお鍋の具材をよそってもらって。


「ねー野菜ばっか!肉団子が一個しかない!」

「食べんしゃい。野菜不足は美容に悪いからのぅ。」

「あんたが食べたくないからでしょ。」

「プリッ。」

「プリちゃうねん。」

「関西弁怖いなり。」

「こーわーくないー」

「鍋奉行に歯向かうとまた野菜入れるぜよ。」

「いただきまーす。」


仁王の言葉を無視してアツアツの白菜をぱくり。出汁がたっぷりで白菜が甘くておいしい!


「名字。」

「ん?」

「話があるんじゃが。」

「何?」

「最近悩み事とかある?」

「悩み事?」


仁王が過ごしだけ険しい顔をして聞いてきた。久々に2人でご飯食べるし?ま、悩み事と言えば進路かな?他には痩せないとか。なんかそこまでっていう悩み事はないかも?


「まーあるっちゃある。」

「ほぉ。相談乗っちゃる。」

「じゃあお願いします。まずは、進路です。立海大に行くか指定校推薦で違うところに行くか。」

「どこ行くか決めとるん?」

「あたし将来何になりたいとかないの。お姉に相談したらお姉の大学薦められたの。お姉の大学だったら指定校推薦あったし就職率も女子大の中でもいい方だし、調べてみたらあたしが学びたいことできそうだし!立海は少し違うんだよね。」

「ほーそこの大学のがええと言ってるのに何で立海も迷ってるん?」

「みんな立海に行くし学びたいことが少し違うくてもそれに近いことは学べるし、新しく学びたいことも増えるかな?って。それにマンモス校だからもっと人脈が広がるかなーって。でも今仁王に話してて女子大かなって思った。」

「自分で話してて解決してしまったのぅ。」

「ふふっ本当それ!仁王は立海?」

「そーじゃなぁ。立海かのぅ。」

「建築?」

「建築。親にひかれたレールを歩くのかのぅとか中学ん時は思っとったが父さんの話聞いてて学びたいと思ったなり。」

「お互いがんばろ!あっ浮気したらダメだよ?あたしは女子大だからいいけど仁王は共学だから心配。」

「女子大でもビッチはいるがのぅ。」


そう言って仁王は働いてるお姉に目を向けた。するとお姉はこっちを向いてギロリと睨んできた。


「お前のお姉は怖いのぉ。」

「幸村といい勝負だよ。ケンカしたときのお姉は。」

「あんたらそんなこと言って割引しないよ?」


暇になったらしくお姉がテーブルにやってきた。睨みを利かしながら。ひいぃっ!


「そーいや店長とはどうなんじゃ?」

「は?あんたまーくんに話したの。」

「てへぺろ。」

「てへぺろとか可愛くないわ。あいつはだめだわ。友達としてはいいけど恋人としては最悪。」

「やっぱのぉ。」

「え?仁王知ってたの?」

「プリッ。」

「プリじゃねーよ!はっきり言えよ!」


お姉ブチギレ。鬼になったお姉は仁王の結ばれた髪をグイグイ引っ張った。だれもこの鬼を抑えることはできない。


「言うなり!だから離してほしいなり!」

「最初から言えばいいのに。で?」

「前から一緒にご飯食べにいったりしてて恋愛の話しになったんじゃ。店長は今は仕事の方が忙しくて彼女に、かまってやれない。甘えられてもかまってやれない。って。」

「あいつマジむかつく。友達としてはいい奴だけど。ま!次の恋だね。」

「お姉ファイト!幸村こないだ別れたってよ。」

「ゆっきー?あれは無理!金もらっても付き合えない!」


幸村酷い言われよう。同類嫌悪?ってやつなのかな。


「あとでお鍋の〆のラーメン持ってくるから!じゃ。」

「ほーい。」


お姉はやっとテーブルから離れた。本当、こんなんで給料もらえるっていいなぁ。


「なぁ。」

「何?」

「最近、お前さんおかしくないか?」

「あたしがおかしい?」

「急に髪型とか化粧変えるし、俺の手に変なことを書くし。いつもとなんか違う。慎太郎に聞いたんじゃけど…」






















よし、言えた!やっと言えた!誰か褒めてくれ。


「スラムダンクのこと?」

「おん。」

「あたしさースラムダンクの彩子さんになりたいの。」


慎太郎から聞いてたが本人の口から、しかも凄く真面目な顔で言われると笑いそうでピンチ。絶対笑ったら喧嘩になるけぇ我慢じゃ。これでもテニス界では詐欺師と呼ばれてるからそこんとこは大丈夫なり。


「ほぉ。なんでじゃ?」

「スラムダンク読んでて彩子さんのバスケ部に対する愛が伝わってこんなに凄い人がいたんだ!って!あたしなんかマネージャーの仕事をこなせればいいって思ってた。でも彩子さんは違うの!彩子さんのマネージャーの仕事には愛があるの!あたし感動して彩子さんになるって決めたの!」

「だから見た目から入ったのか。」

「そう!」

「一つ言ってええか?」

「なに?」

「彩子さんの真似似合っとらん。」


喧嘩になってもええ。俺はこれをずーーーーーーっといいたかった。


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