01


「みんないるねーじゃあ運転手さんよろしくお願いします。」


遅刻魔赤也がいないからバスは時間通りに出発。(今回は3年だけだから赤也たち二年とかは通常通りの部活)

あたしは仁王と座った。いつもこういうのは照れ臭くて隣に座ろうって言わないけど頑張ってみた。

















「昨日ね、お姉がね…」


これは仁王に言っていいのかダメなのか分からないんだけどあたしはお喋りだからついつい昨日の夜お姉が話してくれたイケメン店員の話をしてしまった。


「ほーお姉は恋に向かってんのか?」

「多分ね。口調がぶりっ子だったからあれは恋してると思うよ。」


しばらくお姉の話をして仁王の家族の話をしていつのまにか寝てしまっていた。そして真田にふんどしをプレゼントされる夢を見た。嫌すぎて目が覚めた。

横を見ると仁王があたしにもたれかかって手を握って寝ていた。仁王可愛い。

イタズラ心が働いて仁王の鼻をつまんでみた。少し嫌そうな顔をしていたが一瞬で天使の寝顔に戻った。

そして、もう1度おやすみ。


















ゴンっ


「いったーーーー!」
「いてっ」


急に頭に凄い衝撃が。痛みで目が覚めたら仁王も痛そうな顔をしていた。そして通路で幸村が(ブラックな)エンジェルスマイル。


「おはよう、ラブラブな2人とも。なかなか起きないから2人の頭ガッチンってぶつけたの。そしたらお前ら凄く苦しい顔して起きたから!ふふっ」


なにがふふっだよ。ローラかよ。もっと他の起こし方なかったんかい。外を見るとすごーい綺麗な建物が!


「え!もう着いたの?」

「そうじゃないとわざわざお前らを起こさないよ。」

「よく寝たなり。」

「これから部活するんだよねーダルビッシュ。」

「つべこべ言わず早く2人とも降りて。氷帝もう来てんだから。」


バスから降りるまで幸村はグチグチ文句を言っていた。ダルビッシュ。


「幸村に惚気話してって言ったら機嫌良くなるかな?」

「プリッ。」

「仁王って言葉欲しいときにくれないよね。」

「ピヨッ。」

「もういいや、降りるよ。」

「プピーナ。」
「プピーナ。」

「マネすんな。」

「こっちのセリフじゃ。」


そこからなぜか取っ組み合いになった。仁王があたしの首を絞めてきて、あたしは仁王の腕を噛んで。


「わっ!」


どんっ。仁王の足を引っ掛けようとしたら2人でバランスを崩して座席に倒れてしまった。第三者が見るとやらしい体勢。運良くあたしは仁王の上。全然痛くない。仁王は痛そう。ざまぁーーーーー!


「2人とも遊んでないではや…あ。」


あたしたち騒ぎを察した幸村がやってきた。あたしたちを見た瞬間怒るのかと思ったらすごーくニヤニヤしてきた。マジきもいけど怒られることはなさそう。


「お前ら盛るなよ。俺だってご無沙汰なんだから。」


幸村はやっぱり怒らずに降りて行った。茶番もここまで、あたしたちもバスを降りた。


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