05



こーいう旅館の朝ごはんにはなんで赤ウインナーと甘い玉子焼きが必須なんじゃ。俺ん家と名字ん家は甘くない玉子焼きやから違和感感じる。とりあえず玉子焼きは名字の皿へ。こいつはもーって言いながらもちゃーんと食べてくれる。お礼に名字の赤ウインナーを食べてあげた。すごく怒っとった。当たり前か。ウインナーみんな好きやし。


「お腹いっぱいじゃ。こんな食べるん久々。」

「え?じゃあもらっていいか?!!!」

「ええよ。いっぱい食べて肥えるんじゃ、丸い。」

「イントネーションちげ…」

「だめ!仁王、ゆで卵とウインナーとお味噌汁しか食べてない!焼き魚とお野菜とご飯は食べる!ご飯は半分くらいまで食べる!」


丸井のツッコミの途中で名字がツッコミを入れたので丸井が怒った。俺は知らん。名字の言ったとおり焼き魚と野菜とご飯を食べることにした。


「におーってまじでなまえのペットみたい!ご飯の時は!」

「分かる!世話のかかるペットってか子ども?」

「子どもできたらこんな感じなのかーちゃんと躾けないとねー」


俺と名字のやり取りにギャル軍団はあーだこうだ言ってる。あいつらは井戸端会議のおばさんぜよ。本人たちに言ったら俺は処刑されるから言わんけど。

てかあっきーは俺の今朝起きたにおたん起きた事件をみんなの前で言っとらん。ええ友達できてほんまよかった。あっきー以外みんな今ネタにしとったはずじゃ。あいつらはあっきーの不幸しか願っとらんが俺はあの彼女と別れてええ女と巡り会うことを願っとる。誰よりもぜよ。


「食べ終わったら荷物整理して10時にロビー集合ね。チェックアウトしてから予約していた湯呑み作りするから。」

「ちょるちゃん!さすが!うええええい!あたしお姉の誕プレ作る!」

「ケチな妹。」

「慎太郎うるさい!慎太郎はお姉に誕プレあげたことないからそう言えるんだよ?去年だって…」


名字は毎年お姉への誕プレに悩まされている。ちなみにお姉の誕生日は八月。とっくの昔に終わっている。お姉は時間はかかってもいいから最高のプレゼントをくれたらええらしい。あの人は欲しいもので買えるものなら何としてでも手に入れる女じゃ。だからモノはだめ。かと言って食事に連れて行くというのもだめ。あの人は新しい店よりも決まったとこにずっと行くタイプやから下見もせず連れて行くと怒る。だから最近名字は手作り品をあげている。お姉も手作り品はおっけーらしい。よぉ分からん。

ちなみに俺は毎年何でも言うこと聞く券を贈呈している。あっちなみにこのプレゼントの法則は名字のみ発動される。恐ろしい姉じゃ。


「ね!分かった?慎太郎さんよぉ。」

「おっおう。ほら、デザートの杏仁豆腐やるよ。これ食べて元気出せよ。」

「あたし杏仁豆腐キライ。」

「んじゃ俺が2人の分食ってやるぜぃ!」

「丸井に食べられるならいただきます、慎太郎さん。」

「俺の杏仁豆腐もブン太に食べられるならキライと言う名字に食べられたいと言ってます。」

「おい。」


prev next
bkm
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -