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「この跡部かっこいいでしょ。」

「ふーん?」

「ちゃんと見て!」


今日から一泊二日で温泉旅行。皆遅刻することなく仲良く電車に乗って温泉街へ向かっている。2列シートになっていて席を向かい合わせにして男子と女子で別れて座っている。

昨日氷帝の卒業式があった。幸村は女漁りに行ったけどタイプの女の子がいなかったらしい。みっちゃんは昨日沢山撮った跡部の写真をほれほれと見せてくる。どうでもいい。


「見飽きたよ。そうださっこ面白い話してよ。」

「なまえその無茶振りはやめてよ。あーそうそう。こないだお母さんとランチしたんだけどさ…」


面白い話なんかないと言いつつも面白い話をしてくれるのがさっこ。ふと隣の男子らを見ると全員爆睡してる。さっきまでグラビアアイドルの話してたのに。


「着いたらお昼なに食べる?」

「魚介類がいいなー!海鮮丼とか!」

「食べたい食べたい!あ、仁王が肉がいいって言ってたけど。」

「仁王だけでしょ!晩御飯すき焼きらしいしいいじゃん!昼は海鮮丼で!」

「そーだよねぇー仁王が我慢すればいいだけだよね!」
















目的地に着き少し歩いたところにさっき電車で調べたおいしいと話題の海鮮丼のお店がある。店に着くと開店して15分程しか経ってないのに満席だと言われ少し待つことになった。まぁ8人だから仕方ないか。


「お腹空いたぜぃ!」

「ブン太うるせぇ。」

「同じ丸井でも本当に差がありすぎるぜよ。」

「黙れ仁王!」

「ピヨッ。」


男は仁王以外全然会ってなかったからダブル丸井の格差とかイケメンあっきーとか懐かし過ぎる。


「てかさっきからあっきーずっと電話してるね。」

「ああ、なんか彼女と揉めてるらしいよ?」

「まじで?」

「うん。こないだたまたまあっきーに会ってお茶したんだけど別れそうってか別れたいって。」

「ええ!あっきーの彼女のバイト先言ったラブラブだったのに?」


あっきーは店に並んでからずっと彼女と電話してる。ちょるちゃんがあっきーと彼女のネタを教えてくれてゴシップ大好きなガールズは大盛り上がり。人の不幸は蜜の味っていうじゃん。


「お待たせしました!8名様どうぞ!」


店員さんが席の用意ができたと案内してもらった。しばらくして電話し終えたあっきーがやってきた。


「あっきーお疲れー!」

「どうなのどうなの?みっちゃん気になる。」

「俺も俺もー!」

「んー多分別れる。あいつ浮気してた。」

「えー!あの子あっきーラブだったのに。」

「ちがうの、本当はあっきーだけなのってか?」

「そうそう。そんな感じ。俺だけだったら何で他の男に股開くねん!って感じ。」

「あっきーの関西弁ちがーう。」

「名字うるせえ。」

「あ!海鮮丼!来た!」


丸井が店員が持って来た海鮮丼を指指して机をバンバンして興奮し始めた。周りのお客さんも丸井に注目している。とうとう小さい子どもも丸井のマネをし始め親に怒られてる。

海鮮丼はとても美味しそう。あれだ、海の宝石箱やぁーってやつ。まじで宝石箱。そして赤出汁もついていてすごく美味しそう。


「名字、ウニ嫌じゃ。」

「はいはい。」

「名字、仁王の母親じゃん。野菜は食べろとか言うし。」

「しんたろー黙りんしゃい。名字はウニ好きやからええんじゃ。」

「野菜は?」

「美容に良えから。」

「ふーん?」


慎太郎はニヤニヤしながら海鮮丼を頬張った。仁王の好き嫌いもうちょっと厳しくした方がいいか。ついつい甘やかしてしまう。今度仁王のお母様と話さないと。


「てか次どこ行くー?」

「俺あそこ行きたい!あそこ!」

「いくら丸井の心が読めるさっこさんでもそれは分からない。」

「丸井の心は誰でも読めるからね。あそこでしょ足湯できて温泉卵が売られてるとこ。」

「そうそう!そこ!さすが俺のちょる!」

「お前のちょるじゃねーわ。私は私のものだわ。」


海鮮丼食べて終わりじゃないんだこの旅は。まだまだ楽しいことあるんだろうな。足湯楽しみだし温泉卵も早く食べたいなー


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bkm
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