05



「今日楽しかったわ。」

「でしょ。あたしも2人いたからつまんなくなかった!」


ライブが終わり焼肉屋で打ち上げ。二次会に行くからと昨日同様あたしらにタクシー代を渡して夜の街へ。終電まで時間があるってことで夜カフェ。


「いっつもこんなんなん?」

「いつもは時間あったら見に行ってるよ。」

「家族で?」

「んーお姉とか友達とか彼氏かなーママは大きいライブしか行かないから。」

「へぇーなまえ彼氏おるんや!同じ学校?」

「こいつの彼氏、立海の仁王さんやで。」

「え?仁王くんなん?」

「そうそう。蔵も知ってるんや。」

「そりゃ中学ん時の合宿とかで。」

「ああ、そっか。蔵は彼女いないの?」

「こないだ別れたとこっすよね。」

「お前が言うな。」


そう言いながら蔵は光くんの頭を叩いた。凄くいい音で凄く痛そう。


「フられたの?」

「そうやで。めっちゃ綺麗な人と付き合っててんけどカブトムシ愛にドン引きされてフられてん。」

「だからお前が言うな。」


また蔵は光くんの頭をいい音出して叩いた。関西人やし頭叩くの慣れてるからこんな音出せるのかな。真田とか幸村はこんな音出せないよね。


「高校生やのにカブトムシまだ好きなん?」

「中学ん時からハマってて妹にも飽きられとるねん。」

「だってねー高校生になってもカブトムシはイケメンでも何か嫌だよ。」

「2人ともホンマに分かってないなーカブトムシっていうのはな?…」


多分30分くらいカブトムシについて語られた。正直マジでだるかった。光くんと途中で目があってウインクしまくったりしてたけど蔵は熱くカブトムシについて語ってた。

そしてカブトムシの話からカブトムシゼリーの味とか栄養とか語られたけどホンマにどうでもよかった。めっちゃ語ってくれたけどやっぱりあたしの中でのカブトムシ王は哀川翔だ。


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