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「ほんまに!まーじーで!疲れた!マネージャーさんまじでリスペクト。パパのご機嫌取りしてスケジュール管理とかだけで楽勝な仕事とか思ってたけど違うね。移動だけでこんなに愚痴りたくなるんだよ?それをあの人は毎日毎日、何十年もやって。まじでリスペクト。」

「身近にマネージャーの職業に就いてる人おってマネージャー業楽そうって思ってたとか驚いたわ。」

「べっ別にいいじゃん!光くんとあたしの脳の作り違うし。」


大阪について長年一緒に仕事をしているライブスタッフの方とかスタイリストさんに合流しお昼ご飯を食べて何故かパパの買い物に付き合わされて(もちろんあたしも買ってもらった)ライブハウスへ。こう言うと楽しそうだけど実際は新横浜からファンのお見送りがあってそれをくぐり抜けファンレターやプレゼントを回収し新大阪に着いても同じことをして、本当に疲れた。そしてパパって一応出待ちみたいなことしてくれるファンもいたんだと再確認。

パパがライブのリハーサルをしていてあたしは暇になったので今日ライブに来てくれる光くんと合流して光くん行きつけの喫茶店で光くんお気に入りのミックスジュースを飲んでいる。ここのミックスジュースは氷も一緒に砕いて入っているので飲むと冷んやりしていて美味しい。塊の氷がないので沢山入っていてお得感が感じて凄くいい。明日ここでモーニングしたいくらい。


「なんか大阪に来ると関西弁使いたくなるね!」

「知らんわ。俺ずっと関西やし。」

「例えると海外生活して帰国して日本食食べたくなる感じ?」

「それとこれとは違う気もするけどなんか分かるわ。」

「光くん分かってくれるねー」

「ドヤ顔で言うなや。」


もうすぐ開場の時間やし行こと言われて喫茶店を出た。あの光くんが奢ってくれた。驚いた顔をしてるとブスと言われた。怒りたいけど奢ってもらった身だしなんとも言えない感じになってしまった。


「ここやでライブハウス。」

「へーここかぁ。でかいね。」

「俺も初めて来たとき感動したわ。なまえこっちや関係者の受付。」


手際の良い光くんが受付を済ませてくれて関係者のパスを受取り首にかけライブハウスに入った。色んな人からお花があって跡部のとこからもお花が届いてあり光くんと爆笑してしまった。もちろん写メを撮り仁王とみっちゃんに送信。


「席は2階ね。」

「2階のB列の4と5か。」


2階席の端が関係者席になっていてパパの知り合いとか雑誌の編集者の人とかが既に座っていて楽しそうにビールを飲んでいた。挨拶をして少し話して席に着いた。


「挨拶してる姿見るとなまえって俺よりも年上って思えるわ。」

「褒められてるのに褒められてる気がしない。」

「褒めてあげてんねん。あ、始まるで。」


話していると会場が暗くなり一階にいた人がキャーとなり前に人がわっときた。


「見下げてる感がたまんないね。」

「始まんねんから静かにし。」

「はーい。」


ライブ中のパパは新幹線で見せたダルダルな姿ではなく、かっこよくて大人の色気がムンムンだった。MCになると外用の良い子ちゃんパパになりファンの人を楽しませていた。しかし何故か途中でお姉と侑士くんの合コンの件の話をしていてこんなことになるとだめだよと言っていた。光くんがニヤニヤしていて後で教えろと耳打ちしてきた。これ絶対どっかでネタにする気だ。あ、侑士くんの従兄弟に言うつもりだ!間違いない。

ライブが終わりお客さんが段々はけていったのを確認して舞台裏へ。しばらくするとパパが現れてみんなと握手をしてお疲れ様ですと言われていた。後ろにいたあたしと光くんを見つけるとやってきた。


「やっぱ汗臭いね。」

「お疲れ様やろ。」

「汗かいてもいい匂いなオトコにならないとね、チビ。」


パパに目で殺された気がしたけど、周りはこんなこと言えるのはなまえちゃんだけだと周りが笑っていて場が和んだ。ほ。


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