08


昼休み、トイレの帰り廊下でスキップしていると背後から誰かの腕が首に回され締められた。く、くるちぃ。


「朗報だよ。なまえちゃーん。」


あたしの首を絞めてる輩はあたしが予想してた通り幸村だった。そしてあの幸村から朗報。なんだなんだ!それよりも…


「ゆっきーくるちぃ。」

「あ、ごめん。忘れてた。」


幸村はあたしをさっと手離した。急に手を離したもんだからもちろんあたしは転んだ。


「痛いなー!」

「ははっ、ごめん!」

「で、何よ!朗報!」

「合同合宿だよ。」

「は?そんなの朗報じゃないよ!引退したじゃん!引退したのにまた部活?!しかも合同ってことはたくさんいるんでしょ?たくさん働かないといけないんでしょ!」

「今回は引退した3年だけでするから部活部活しないよ。みんなで楽しくテニスしよって氷帝の跡部が提案してくれたんだ。しかも跡部の家が経営する高級なホテルに泊まるからラッキーだと思うけど。豪華なお食事だし岩盤浴もあるみたいだし。」

「あたし必要なのか分かんないけど行く行く!!!!きゃー楽しみ!それいつ?」

「今週!。」

「え?急だわ!」

「どーせ暇だろ。で、合宿の話の続きなんだけど」


どうやら合宿は氷帝だけらしい。青学にも声をかけたらしいが学祭真らしく今回は氷帝だけらしい。期間は一泊二日。土日挟むらしいから遊べなーい。それは少しいやだなー


「この合宿の打ち合わせで明日跡部が来てくれるから名字も参加してね。」

「はいほーい。跡部ってどんな人?ぶす?」

「俺よりはぶす。」

「なんだぶすか。」


イケメンだったらあたしにも春到来だったのになー跡部ってやつは金持ちの坊ちゃんらしいし。


「見たことなかったっけ?跡部。中学のときも合同で…ってたしか名字謎の高熱で休んだんだった。あと部活の最中に乗り込んだときも再テストでいなかったっけ。」


ああ、そんなことも。たしかあれは合宿嫌すぎて嫌すぎて熱だと思い込ませて本当に熱出したんだ。病は気からを知ったあの日だ。懐かしい。てかそのブス部活の最中に乗り込んだんだ。ブスなのに。


「今回は岩盤浴あるからがんばるお。てか打ち合わせって何すんの?」

「俺もよく分からないけどたいしたことじゃないと思う。」

「何じゃそれ。その跡部っていうぶすは暇なんだね。」

「そうだね。あ!もしかしたら少しここで打ってくかも。」

「まさかそれが本当の目当てだったりしてねー」

「ねー」


あたしはそのとき跡部の真の姿を知らなかったんだ。


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