04



「こーなるとは思わなかったよ。本当ごめんね?恋人じゃないって色んなところで発表したから一応大丈夫なはずだから。」

「はず?それじゃあ名字だって気に食わんと思うなり。だからあの靴を俺にくれたら事は収まるぜよ。」

「仁王何言ってんの。佐山くんごめんなさい。こいつのことは聞かないで。お茶したのほんの15分くらいだったのにね。」

「なまえちゃんだしって思ってたから撮られるとかそんなこと思ってなかったよ。プロ意識低すぎた。」

「そうなり。だから玄関に置いてる靴を。」

「仁王!」

「ピヨッ。」


家に帰ると佐山ハヤトが来ていた。今後のこととか教えてもらい撮られたあたしが一応一般人だし何もないと思うと教えてくれた。次の仕事があるらしくそれだけ話すと帰ってしまった。

仁王は俺の靴が帰ったと悲しそうに嘆いていた。


「そんなにあの靴が欲しかったの?」

「おん。限定モデルやし、あれ並んで買うんじゃなくて抽選で決まるんよ。俺外れたなり。」

「へえええ。売ったら高そう。」

「名字は何ですぐに金に換算するかのぉ。」

「この世は金よ。」


仁王と話しているとお姉が帰ってきた。お姉、久々に見るかも。最近すれ違いで会ってなかったから。


「さっき佐山くんに会ったんだけど!あいつ限定の売れたら高いやつ履いてた!やっぱ芸能人は違うね。」

「へーそんな有名な靴だったんだ。」

「な?おしゃれなやつは分かってるんじゃ。」

「まーくん、私がおしゃれだなんてやーねー!」


久々のお姉だからか分からないけどテンションが異常に高い。


「ねぇ侑士とさーバレンタイン会えないかもー!」

「ふーん?」

「プリッ。」

「あんたら反応薄い。いいよねー大学決まって暇な2人は!どっか行くの?」

「仁王のモデル次第かな?パパはその日は仕事お休みでママとディナーに行くって言ってたし。あ、そうなったらお姉独りだね!」

「うるさい。いいもん、フリーの友達と遊ぶから。」

「あ、そう言えば幸村が彼女欲しいって言ってたよ。もーすぐバレンタインに誕生日、ホワイトデーだから。」

「ふーん。幸村くん暇なんだ。あ!じゃあ幸村くん誘って合コンしよっかな。」

「幸村が合コンとかおもろそうなり。」

「あたしニヤニヤしちゃう。」

「なまえ、幸村くんの電話番号教えて!」

「思い立ったらすぐ行動ね。」


お姉に幸村の電話番号を教えるとサンキューと言って部屋に戻っていった。


「あの人はいっつもお祭りじゃな。」

「まぁね。侑士くん受験で会えなくて暇だからね。毎日遊んでるよ。」

「彼氏が頑張っとるんやからお参りでもすればええのに。」

「お姉がそんなこと考えてたら槍が降るよ。」

「俺はそろそろ帰るかのぅ。」

「今日泊まらないんだ。」

「泊まってほしいんか?」

「別にどっちでも構わないけど。仁王が泊まるか泊まらないかですること変わるから。」


もし仁王が泊まらなかったら久々のお姉だしお姉とおしゃべりしようかなと思っている。


「一緒に寝たいとかそんなこと言えんのかのぅ。」

「ごっごめんよ。気を付ける。でも仁王もじゃん?」

「俺は俺。名字は名字。」

「はいはい。じゃあシャワー浴びて寝る支度して戻ってきて。」

「へいへい。」




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