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「んーあああ!ふふふふん!…ひひひひ。」


ここ最近のアタクシは、3日前にリリーちゃんから貰ったお土産を見てニヤニヤすることが日課となっている。

リリーちゃんから貰ったお土産はマカロンとカバン。マカロンのお店は日本にもあるお店だけど本店で買ってきてくれた本店でしか買えないマカロンだそうだ。限定ってよりはリリーちゃんから貰ったマカロンだからもったいなくて食べれない。カバンはパリコレモデルとかが通う有名なセレクトショップで買ってきてくれたショルダーバッグ。お姉に自慢したらソッコー奪われてタグを見られた。あたしは知らなかったけど有名なブランドらしい。

お土産を貰った日にリリーちゃんと連絡先を交換した。仁王はあたしがリリーちゃんにキスされた日から敵対視しているらしい。仁王からではなくリリーちゃんから聞いた。あの日から私を睨んでくるとリリーちゃんは言っていた。だから仁王にリリーちゃんに睨んだらダメ!と注意したんだけど聞いてくれなくてあの日を思い出したように頬にキスされまくった。あいつ、男が好きなはずやのにと嘆きながら。


「腐っちゃうかもだから食べるべきかな?」


マカロンの箱を開けて少し考えてみた。五つもあるし一つくらいなら大丈夫かな。寝る前のティータイム(そんなタイムしたことない)にいただこう。

昨日から三年生は学校が休み。最後の立海でのお昼休みと考えると涙が出てきて泣きながらママが作ってくれたお弁当を食べた。あたしが泣いているとどっかから情報を得た赤也がやってきて写メを撮られて少してかかなりムカついた。


「暇だなー」


みっちゃんはイギリス行っちゃったし、仁王はバイト。ちょるちゃんとさっこは旅行にバイトで忙しいって言ってたし。


「あ!」


もっぴー!もっぴー!すっかり忘れてたけど指定校推薦の面接で仲良くなったもっぴーに連絡をしてみた。しかし直ぐに返事はなかった。

リビング行ってソファでゴロゴロしたいんだけど今はパパのお客さんが来ているから無理だ。どっかのアパレル関係の人らしく今度コラボするらしい。さっき暇過ぎて立ち聞きしちゃった。暇過ぎて誰かに言いたいな。

携帯を見ると幸村からLINEが着ていた。開くと今名字の家の近くのカフェにいるから来てっとのこと。もちろん行くさ!とLINEをしてソッコー着替えた。

暇過ぎて結構前に誰にどんな内容で誘われたらどの服着るか決めてたんだよね。って言っても友達にお茶しようと言われたらコーディネートは薄手のニットにムートンのダッフルコート、靴はムートンブーツ。ムートンブーツは後ろにリボンが着いてて凄く気に入ってる。お姉のだけど。ポケットに小銭入れと財布をいれて出発。

幸村がいるカフェはマンションの隣にあるから直ぐ着いた。中に入ると奥に居た幸村が手を振ってくれた。


「幸村おひさー」

「久しぶり。急に誘ってごめんね。」

「いいよ、あたし暇してたし。」

「それはよかった。なんか頼みなよ。」

「うん。んじゃ本日の紅茶にガトーショコラにしよっと。」


店員さんを呼んで注文して幸村の方を見ると驚いた顔をされた。


「何?」

「お前コーヒーじゃないの?それとガトーショコラって珍しい。いっつもタルトじゃん。」

「ここのガトーショコラ美味しいの。喫茶店で紅茶頼むとまたお湯入れてくれるからお得感感じちゃうからね。長くいたい時は頼むの。」

「へぇ、ここはお湯入れてくれるんだ。俺が前に入った店は無理だったよ。」

「無理な店もあるんだね。あたしが行く店は入れてくれる店しかなかったから当たり前だと思ってた。」

「俺のおかげだね。」

「まぁねーってか幸村何で誘ってくれたの?」

「俺も暇で暇でね。散歩しててどっかでお茶したいなーって。前からこの店気になってたから行ってみようて思って入ってそう言えば隣のマンションって仁王と名字の家じゃんって思い出して仁王に振られたから名字。」

「最後はいらなかったね。」

「えーそう?」


今日は随分優しい幸村だなぁと感心していたらやっぱりいじわるな幸村が出てきた。いじわるそうに笑う幸村も美しい。他人がみたら王子さまが微笑んでるって思うんだろな。王子様じゃなくて王子さまね。


「あたしは仁王の代わりかー」

「でも名字でよかったかもしれない。ここのオススメ知れたからね。」


さっきはいじわるな幸村に戻ったと思ってたけどやっぱりいつもより優しい。裏があるな。


「そうだ、少し俺の悩み聞いてくれない?」

「なになに?」

「もーすぐバレンタインだろ。そして再来月は俺の誕生日。」

「うんうん。それで?」

「俺、最近は恋愛してなかったし?もうすぐそういうイベントもあるし?彼女が欲しい。」

「うんうん。それで?」

「どこに俺の彼女はいるかなって。」

「そこらへんの女引っ掛けたらひょいひょい来るよ。」


そう言うと頬をグイッと引っ張られ、ばかと言われた。


「そういうのじゃなくて相思相愛でお互いを尊敬できる相手が欲しい。」

「欲が深いねー大学入ったら環境も変わってできるよ。」

「さっき何で今欲しいか言っただろ?」

「あっそっか。そーだよね。あと一ヶ月以内だよ。」

「立海は嫌だしなーやっぱり環境変えるしかないのか。バイトしようかな。」

「幸村がバイトとか想像つかない。」

「俺もつかないよ。帰ったら探そっと。」

「幸村って花屋さんで働いてそう。」

「楽しいかもしれないけど募集してなさそう。飲食店かな。」

「あ!今からさー仁王のバイト先行こうよ。暇なんでしょ。」

「え?何急に。まさかイジメ?俺が彼女欲しいとか言っててノロケてやろうとか思ってるの?」

「違うよ!気分転換!環境も変えないと何も始まらないよ!」

「何か違う気がするけどいっか。欲しいものあるかもしれないし。」


お会計をして、一旦カバンを取りに帰り仁王のバイト先へ向かった。

家に帰ったときに手袋とマフラーをついでに持ってきたんだけどソッコー幸村に奪われた。まぁこれも想定してて手袋だけはもう1セット持ってきてたんだよね。うふふ。


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