07



カルタ大会決勝戦。クラスの男子はまさかそこのクラスが残るとは思わなかったみたいで賭けは終わっていた。丸井がうえええいって叫んでてすこしムカついた。


「詠んでるときの声のトーン眠くなるね。」

「ね。みっちゃんの目が小さくなってる。」

「もーよぼよぼだよ。これ終わったら帰れるから早く終わらんかなぁ。」

「みっちゃん帰ったら何すんの?」

「跡部と買い物。あとこないだから気になってたカフェ行く。」

「また跡部かよ。」

「いいじゃん。」

「どこのカフェ?」

「ほらーこの間言ってたじゃん。」

「えーあそこ?!」


あそこと言うのはこないだテレビでやっていた高級ブランド店の上にあるそのブランドカフェ。大人になったら行きたいねって言ってた矢先だ。跡部とだから行けるよね。いいな。


「感想教えてね。」

「うんうん!当たり前よ。なまえは何するの。」

「今日はねーパパのお付き。って行っても暇だからついて行くだけなんだけどね。」

「へーなんか楽しそうだね。あ!決勝終わったみたいだよ。」


結果は赤也のクラスが優勝。体育祭みたいな盛り上がりはなく、そそくさとみんな教室へ戻った。

担任から今日の大会に関してのコメントは何もなく男子に誰が1番儲かったかと聞いてSHRはあっという間に終わり放課後。

仁王に今日撮影でリリーちゃんと一緒になるけどお土産渡しに来る?と聞かれた。行きたかったとこだが今日はパパの撮影のお付き。撮影するスタジオを聞いたら同じとこだったので後でお邪魔することにした。リリーちゃんたのしみだな。


「今から撮影。眠い。でいいの?」

「うん、よろしく。」

「ツイートします。」


ツイッターくらいすればいいのにって言ったら誤爆しそうで怖いそうだ。何を誤爆するだか。

パパが撮影に入ったのであたしはお土産を持って仁王がいるスタジオへ。スタジオに入ると恋人設定の撮影っぽい感じだった。べったりして撮影してる。

ソファに座ってリリーちゃんを膝に乗せて。リリーちゃんは仁王の肩に手を回して、仁王はリリーちゃんの腰に手を回して。ああリリーちゃん可愛い。

カメラマンの人に「仁王くんいつも彼女にやってるみたいにしてみて!」と指示されて少し戸惑ってるように思えた。ベタベタするときはたまにあるけど普段はそんなにだしね。あたし仁王の膝に乗ったことなんてないかも。


「あ。」


仁王があたしに気付いたようだ。だからウインクしてみた。そしてリリーちゃんも誰々?とあたしの方を見てきた。


「あー!なまえちゃん?なまえちゃんだ!」


名前を呼ばれ心臓バクバク。リリーちゃんにこれ終わったら終わりだから待っててねと言われ大人しく待っとくことにした。


「お待たせー初めましてリリーです。」

「はっ初めまして!なまえでふ!」

「でふって。緊張し過ぎじゃろ。」

「だってだってリリーちゃんだもん。」

「可愛い!雅治こんな子独り占めってやばいよ。」


リリーちゃんにそんなこと言われてあたしとろけそう。リリーちゃんが仁王のこと名前で呼んでるけどそんなの気にせずとろけれる。


「あ!これハワイのお土産です。」


手に持ってた袋をリリーちゃんに渡した。その時に手が触れてドキッとしてしまった。


「あ!これ!この匂い好きなやつだ!」


っしゃああああ!雑誌読んでてリリーちゃんがこの匂いが好きと知ってたんだよ!実は!買ってきたのはみっちゃんにもあげたメーカーのボディースプレーとかハンドクリームが入っているポーチ。


「よろっ喜んでもらえてうれっしいです。」

「あたしも今度撮影でフランス行くからお土産買ってくるね!」

「嬉し過ぎて死にそうだよ。」

「死ぬな死ぬな。撮影終わったから着替えてくるぜよ。リリーちゃんも着替えるけぇついて来んしゃい。」

「うん。あ、最後に写メ撮ってほしい。」


仁王にケータイを渡して撮ってもらった。リリーちゃんがあたしの肩に腕を回して頬同士くっつくかくっつかない距離。いい匂いすぎてどうしよう。

仁王が心配やからもう1枚ええかと言ってきたのでもう1ショット。次はなななんとリリーちゃんから左頬にチュッとキスされて、しまった。


「なまえちゃんのほっぺやわらかーい。んじゃぁね!」


リリーちゃんにチュッてされて頭の中が真っ白。憧れの方からチュッて!やばいよ。

仁王に腕を引っ張られて控え室に連れ込まれた。仁王は少しムッとした顔であたしの両肩を持ち左頬にチュッチュッしてきた。


「え?何?どうしたの急に。」

「だってリリーちゃんが名字にほっぺにチューするから。それに俺がリリーちゃんとくっついて撮影しててもずっとリリーちゃんばっか見とったし。」


仁王はどうやらヤキモチ妬いてたみたい。仁王可愛い。


「仁王が女の子にもヤキモチ妬くとは思わなかった。後ね、撮影見ててあたし仁王の膝に座ったことないかもってずーっと考えてて嫉妬する暇なかった。ゴメンね?」

「なんやそれ。謝らんでもよか。よければここ座るか?」


仁王がポンポン膝を叩いてきた。


「座りたいけど勿体無いから今後に取っておくよ。それにスカート短いの着てきたからやめとく。」

「フレアやから捲れん。」


仕方ないなぁと仁王の肩に手を置いてちょこんと座った。仁王と目が合いニンマリと笑っていて、ギュッと抱き締めてチュッとキスされてしまった。あたしは恥ずかしくなり慌てて立った。


「はいはい、終わり!早く着替えてパパのとこ行くから!」

「なまえちゃん顔が真っ赤で可愛いなり。」

「うるさい!はーやーく!」

「へいへい。」


仁王が着替えている間、パパに今から戻るとLINE。やっぱりさっきのことがフラッシュバックしてしまいニヤニヤしてしまう。


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