【ムチの実】 チハヤ×オミマル R18 ※暴力ありよく、わかんないなあ。そう言ってマルは笑う。マル、つよぃ。オミちゃんまもる。だめ?二言目にはいつもそう。 オミは困る。 だめ、じゃない。けど、ちょっと、ちがう。 どぅちがう?……たぶん、いつか、わかる。 よく、わかんないなあ。 マルは笑った。 ご主人のへやによばれて、マルと一緒に行く。 オミがへやのドアをたたく前に、マルがノブを回して入ってしまう。 「おとぅさん!オミとマル来た!ごよぅじ?だれころす?」 「マル、ドアはのっくして入る、前にましろ言ってた」 オミが注意しても、マルはご主人に向かって目をきらきらさせているばかり。 先週門の外にだれかいたとか、夜がさがさ音がするのはニンゲンだとか、それより何より、くるくる頭のちびをけちょんけちょんにしてやる、とか。 マルがいっしょけんめいご主人に話していると、ぱっとご主人の右手が上がった。 オミもマルもぴたりと口をとじる。マルはしゃべるのをやめたし、オミは息も止めてるつもりで、くちびるを合わせる。 「……つまらんな」 ぞくりーーご主人の、この声、聞いたことない。マルはただしょんぼりしている。 「マル、つまらない? マル、おとぅさんの役に立たない? マル、ぃらない?」 「マル、ちがう」 泣きそうに呟くマルの手をにぎる。ちがうのは、マルじゃない。 ご主人。ご主人、何かちがう。いつもと、ちがう。 マルはしょも、とした顔でご主人を見つめたり床を見つめたりオミの手をにぎりかえしたり反対の手で自分の服をにぎったり、おちつかない。 オミはそんなマルを横目で見ながら、ご主人のようすをうかがう。 ご主人は、オミとマルのようすをたっぷりかんさつするようにながめた後、ゆっくり口をひらいた。 「俺になついているお前らはつまらんな。どれ、ちょうきょうし直すか」 ご主人は座っていたいすに深く座り直して、「マル、来い」とご主人の足もとを指さした。 何も変にに思ってないマルはすなおにご主人の足もとにすわる。と、 「ぎあ゛んっ!!」 ご主人がいきなりマルのしっぽをふみつけた。びっくりしてオミは動けない。ご主人は楽しそうに笑ってる。 「ぉとぅさん……?」 「だまれ」 まっくろい声でご主人が命令する。オミもマルもその声には逆らえない。ご主人が近くの引き出しから、じゃらりとくさりを取り出して、マルの首わといすの足をつなぐ。 「ぉ、とぅ、さん……? 何、するの……?」 マルが泣き始める。するとご主人はまたマルのしっぽをふんで、今度はぐりぐりと床に押し付けた。マルは声にならないひめいを上げる。目で、オミちゃん、とうったえる。 「……ご主人、何するつもり」 自分にもばつが来る。わかってるけど、ご主人に言う。思ったとおりご主人はオミをにらんで、何かいやなことを考えてそうな顔をした。笑った口を開けて、命令する。 「オミ、こっちに来い」 おもい足を引きずるみたいに歩く。ご主人が指す、ひざの上にのる。 ご主人はオミたちよりずっと太くてかたいうででオミのはらをつかんで、さっきの引き出しから今度はナイフを取り出す。 「オミちゃん!!!」「だまれ」 マルのさけびとご主人の命令はほとんど同時だった。 オミは目で、マルに大丈夫と言う。 「オミをきずつけるつもりはない。そんなのはショーで見あきたからな」 いっしゅん、ずっと前のこうけいがうかぶ。 鳴くオミ、うなるマル。こんなのもういやだ、と思ったとき、助けてくれた、ご主人。 そのご主人が今は、こんなことしてる。 なんで?どうして。たくさん考えようとするけど、頭がぐるぐるしてできない。 ぐちゃぐちゃの頭に、ご主人のまっくろい声がうわんうわんと鳴った。 「今度は、逆だ」 マルもオミも目を見開いた。すぐにまっさおになってくちびるがふるえる。 マルの大きな目からなみだがぼろぼろ落ちる。小さな声で、ぃやだ、とつぶやいている。オミをだく後ろのご主人が、顔が見えないのに、笑ってる気がした。 まずご主人は、オミの服をぬがせた。 マルのしっぽはご主人の大きな足でおさえられてる。 それからご主人はもってるナイフをマルのしっぽの先にあてて、ようしゃなく切り取った。 マルのさけび。 おこってるような泣いてるような。 つんざく、ってこういうことなんだと思った。 ご主人はその声をきいてよろこんで、マルの血がたくさん付いた手でオミのちんちんをなで始めた。ぞっとした。きもちわるい。こんなのいやだ。 いやだ…… 「鳴いてもいいんだぞ?いい声でな」 やっ……「だ!!やだやだやだいやだ、やだやだやだやだやだぁあぁぁぁああああ!!!!」ばっとなみだがでた。ぼたぼたおちた。まるのち。あかいのがおみのちんちんについてる。ななんでなんになになのなにでなのでなんでなのなんでなにがどなしてどしてどうしてどうして、ごしゅじんがないふでまたまるのしっぽをきりとっ「や゛だああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!」どっちがいったのかわかんない、けど、まるもないてる、おみもないてる、ごしゅじんがおみのちんちんをいっぱいさわってまるのしっぽはあとはんぶんで、ちがたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんたくさんゆかがまっかごしゅじんのてもまっかまるもまっかおみのちんちんもまっかぜんぶまっか?おみまっか?おみまっかじゃない、おみもまっかになる、おみもまるといっしょにまっかになる、なるなるなるなるならなるなれなるならなきゃなるなれなろなれなるなるなななるなれなりなるれろらるなるあるなるらるるるるるるる「がんばれ」まるのしっぽあとちょっと「 」おみのちんちんなんか、「 」しろい「はははっ」まるのしっぽ……?あと……?「 」あかい。 ふう、と一息つく。 真っ赤に染まった自分の手と、床を見る。 膝に乗っかったモノが重いし邪魔、と床に捨てる。 着物も床も椅子も汚れたが、まあいい気分だ。 手を洗いたい、それより風呂か。 手を叩いて従者に舞白を呼ばせる。 到着した舞白は呆れた顔をする。 「遊び終わったぞ」 「はあ、あなたは……またですか」 次は何を買おうかな。 (1/20) 栞を挟む |