School Every Day! | ナノ






昨日はよく眠れなかった。鏡を見ると薄っすらと隈が出来ていた。欠伸が止まらない。



放課後の図書室での事が、頭の中から離れられなかった。それはもうエンドレスに。佐助くんが言っていた事の意味を頭をフル回転させながら考えていたけど、どうしても理解出来なかった。もしかしたら、ただからかわれただけかもしれないと思い、もう何も考えないようにしたまま学校に向かう。



「小晴ちゃーん!」

「あ、慶次くん。おはよう」

「おはよう。今日は迷子になならなかったんだね」

「寮から近いし大丈夫ですー」

「ははは。そんなに膨れっ面しないでよ」

「してませんー」

「わかったわかった。教室まで一緒に行こうぜ」



朝から元気な慶次くんと教室に向かう。彼の元気な声を聞いたら、さっきまでの眠気が覚めていた。





***

今日は1時間目から体育。急いで体操着に着替え、体育館へ向かった。



「よし、準備体操するぞー!」

「犬千代様ー、頑張って下さいませー」

「まつー!!」

「犬千代様ー!!」



体育の先生は前田利家先生らしいが、何故か家庭科のまつ先生も一緒だった。慶次くん曰く、2人は夫婦で、どっちかの授業の時は必ず一緒にいるようだ。更に、慶次くんは利家先生の甥っ子だと言っていた。吃驚。



準備体操も終え、先生の指導の声がかけられた。今日は男子がバスケットボール、女子はバレーをやるみたい。私もバスケがやりたかったな…なんて。



「基本のパスをしたらチーム作って試合するぞー」



籤引きの結果、私はかすがちゃんと同じチームだった。よかった。それぞれ分かれ試合が始まる――





***

ギリギリ私達のチームが勝った。みんなそれぞれ、小休憩を取っていた。



「小晴、お疲れ。さっきのなかなかよかったぞ」

「えへへ、ありがと。かすがちゃんもカッコよかっ「きゃあぁぁぁぁぁぁ!」!?」



突然聞こえてきた悲鳴に近い歓声の先には、女子達が群がっていた。



「な、なな、何があったの?」

「……あいつ等だろうな」

「あいつ等?」



確かその先では、男子がバスケをしていた気がし、私は頑張って女子達の間から様子を見た。



「わぁ……」



何これ、凄い白熱している。思わず見入ってしまうような試合だった。まるでプロの試合を見ているような気分。



「キャー!伊達くん素敵ー!」

「佐助くんこっち向いてー!」

「慶次くんー!幸村くーん!」



黄色い歓声はどうやら彼等に向けてのようだ。確かに凄くカッコいい。キラキラしている。眩しいくらいに。よく見ると、このクラスのイケメン率が高い。恐らく彼等がそれに当たるだろう。…これはイケメンパワーと言うだろうか。彼等のイケメンパワーの所為で暫く授業再開出来ず、利家先生はただ苦笑いするだけだったらしい。この学校は何でも有りなのだろうか。

 


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