「ちょっと旦那!いきなり何なのさ」
「おおおおお女子がそのように脚を出すなど、破廉恥極まりないでござる!」
「あ…脚?」
確かに私はスカートを履いている為、足は出ている。
「はぁー、何だそれかよ。…でもいいじゃん?女の子は綺麗な脚をしていた方が」
「佐助!破廉恥なことを言うな!」
赤い人は顔まで真っ赤になって、わーわー騒いでいる。偉い人みたいだけど、とてもそうには見えない。
「ほら小晴ちゃんがポカーンとしてるよ」
「…はっ!忝ない。その、お主の名は?」
「塚本小晴…です」
「小晴殿。お主みたいな女子が何故ここに?」
「えっと、実は私もよく覚えていなくて。気付いたらここにいて、そしたら佐助さんが現れて」
………あれ?これって喋っても良かったのかな。今更だけどふとそう思った。
「もう一度聞くけど、小晴ちゃんって本当にどこから来たの?」
「某にも教えてはくれぬか?」
…これはマズい展開か?ここは恐らく戦国時代だから、私が未来から来たかもしれないなんて言わない方がいいのか、相手は武器を持っているから下手すると殺されるかもしれない。2人は真剣な眼差しで私を見るが、私は言葉が出ずただ黙るしか無い。
「…旦那。小晴ちゃんを城へ連れてかない?」
「え?」
「そうだな。こんな所で長居していてもしょうがないだろう。小晴殿、城でゆっくり話を聞かせてくれぬか?」
「ええっ!?そっ、そんな…急に言われても、わっ…」
「小晴ちゃん、ここは俺達の言うこと聞いていた方が身のためだよ?」
「っ…」
佐助さんに背後から腕を掴まれたと思いきや、耳元で恐ろしいことを囁かれる。その時の佐助さんの表情はどこか殺気を感じられるものだった。あぁ、本当に危険な所に来てしまったようだ。
こうして私は身の危機を感じながら、連行されることになった。