雨色恋しずく | ナノ






今日も平和な並盛町。さっきまで降っていた雨も止み、空には晴れ間が戻ってきた。そんな時に並盛中学のチャイムが鳴り響く。それと同時に私は鞄の支度をする。



「由香里、今日もチビ達の迎え?」

「うん。そろそろ終る頃だろうし、この後お母さんに頼まれた買い物行かなきゃ」

「そっかぁ。気をつけてね」

「ありがと。莉紗も菜々美もね。じゃあ行くね、バイバイ」

「「バイバーイ」」



私、高島由香里はお母さんの手伝いと双子の弟達の面倒に明け暮れている。お父さんが単身赴任で家にいないため、忙しいお母さんの為に、こうして手伝うようになった。学校が終わると、弟達が通う保育園まで迎えに行き、たまに頼まれた買い物にも行く。私の親友、寺田莉紗と鈴本菜々美も暇な時は一緒に行ってくれる事もある。気付いたらこれが毎日の日課になっていた。莉紗と菜々美と別れ、私は自転車のペダルをこぐ。





15分かけて保育園に着いた。自転車を降りて鍵をかけ保育園の中に入る。



「「あっ!由香里ねーちゃーん!!!」」



玄関に入ろうとしたら外で遊んでいる弟達の姿があった。弟達も私に気付き、駆け寄って足に抱きついて来た。因みに名前は兄の方が春希、弟の方が冬希。やんちゃ坊主と甘えん坊な2人だが、それはそれで可愛いところもある。



「由香里ねーちゃん、今日は買い物行くの?」

「うん。お母さん待ってるから早く行くよ」

「「はーい!!」」



先生に挨拶をし、春希と冬希を連れて並盛商店街に向かった――

 


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