見えない星に願うのは夜、俺は一人で道を歩いていた。
特に目的もなく。
俺は何度マイに会っただろう。
もうきっと、数えられないくらいだ。
なのに、いまだに
俺とマイが二人とも生きて
八月二十五日以降を過ごせていない。
俺は何度もマイを殺して
そして俺も何度も死んだ。
そのたびにとても苦しくなる。
世界が、オレが…
そして、俺自身が嫌になる。
こんなことになるんだったら
神様に…二ールに頼むんじゃなかった。
そう思ったことだってある。
しかし
俺かもしくはマイが死ぬたびに
二ールと別の世界に行き
再びマイを見ると
「ああ、また君に会うことができた」って
俺は、嬉しくなるんだ。
幸せになる確率が0%に近くても。
俺は顔を空に向けた。
今日の夜空は曇っていた。
見えない星に願うのは彼女と幸せに生きていきたい。
ただ、それだけ。
…それだけなのに
今まで一度も叶えられない願い。
…涙が俺の頬を伝う…。
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