恋に落ちる瞬間があるとしたら
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ふと俺はマイと出会った時の事を
考えていた。


俺とマイは神戸で出会った。


『すいません…。』

ウキョウ「え、俺?」


話しかけてきたのはマイの方。


『はい、道に迷ってしまって…
よかったら道を教えてくれませんか?』


礼儀が正しくて、可愛くて。


ウキョウ「いいよ、旅行中?」

『はい、今ちょうど春休みなので
ずっと来たかった神戸に初めて来ました。』

ウキョウ「春休み…ってことは
君、学生なの?」

『四月から大学一年生なんです。』

ウキョウ「そっか、楽しみだね大学。」


他愛もない話をしながら
道を歩いていたな。


ウキョウ「はい、着いたよ。」

『あ、本当だ…。
ありがとうございます。
おかげで助かりました。』

ウキョウ「よかった
じゃあ旅行、楽しんでね。」

『はい!』


俺はマイの満面の笑みを見た。


マイと別れ、逆方向に歩いた。


ウキョウ「あ…。
名前を聞いておけばよかったな…。」


俺はその時、そう思ったんだ。


たった一回会って、会話をしただけなのに
俺はマイに惹かれていたのだろう。


恋に落ちる瞬間があるとしたら


きっとそれは出会った時。


『考え事ですか?』

ウキョウ「うん、ちょっとね。」


こうしてマイにもう一度会えたのは
運命だと思ってもいいかな?





(お題提供元「operetta」)


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