慌てて止めに入ろうとしたナナシだったが、争う二人の間に滑り込んだ鮮やかな紅に足を止めた。
紅い髪の少年である。
彼の顔とそして名前には見覚えがあった。
有名人である。
彼の名を世界に轟かせた、とある猛獣と契約することで入手出来るレア武器を手に、少年は二人の間に一刀させていた。
[紅]
≫その辺にしとけ
[群青騎士]
≫おや。止めるのですか?
[紅]
≫そんな暇はないだろ
紅の少年は顎で促した。
ギルドの隅っこ──忘れられた者たちが群れるそこで、何やら騒がしくやっている者たちがいた。
[ライト・アロー]
≫頼む。今日しかないんだ!
周りの戦士たちに話しかけるオレンジ頭の少年がひとり。更にその後ろには、紫苑の瞳の少女と翡翠色の少年が付き添っていた。
[群青騎士]
≫そういえば……そうですね。小生意気な新参者の調理は依頼完了後でもよいでしょう
[生徒会長]
≫(゚д゚)ハァ? この俺を調理、だと?
[紅]
……頼むから店の中ではやめろ。迷惑だ
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