「劇団アシデマトイ、ねぇ…」

掲示板に貼られているポスターを見てそう呟く変な仮面をつけたおじさん。彼は名をハネマルと言う。

「どこかで聞いたことがあったんだが、どこだったか」

思い出せずにモヤモヤとしたが、それでも帰宅するために歩き出す。

「帰ったら誰かに聞いてみるか」

そう思うのだがある人物を思い出して苦笑する。

「オチビちゃんにバカにされそうだ」

オチビと呼ばれた者は彼の仲間で、よく言い合っている。何故か馬が合わないのだ。自分が仲間に聞いたとあれば、彼はここぞとバカにしてくることが予想された。

「どうしたものか」

考え事に夢中になりすぎて前から来ていた人に気づかずにぶつかった。

「これは失礼。お怪我はありませんか?」

「ないとも。こちらこそ失礼した」

ぶつかった相手を見れば、どこかで見たような顔をしていた。またそれを思い出せず、首を傾げる。

「僕の顔に何か?」

「…いや、整った顔があるだけだよ」

「そうかい!いやぁ、面と向かって言われると嬉しいものだ」

機嫌をよくした相手に苦笑する。ここまで喜んでもらえるとは思わなかったからだ。

「先程から思っていたのだが、その仮面素敵だね。どこで入手したんだい?」

「これかい?これはヒウンのお店で手に入れたよ」

「なんてお店かな?」

「ライアーというお店だよ。ただ、このお店はわかりづらい場所にあるから見つけるのは大変だよ」

「そうなのか…」

残念そうにする彼に、ハネマルは一つの提案を持ち出した。

「君さえ良ければ今からでも共に行かないか?都合が悪ければ別の日にでも。いかがかな?」

「是非頼みたい!僕は今からでも大丈夫だよ」

「ならば、行こう」

こうして、二人はお店を目指して歩き出した。
このあと、彼が掲示板で見た劇団の団長であったことを知ったのと、服のセンス等が似ていることことから意気投合したのだった。



類は友を呼ぶ
(次に会ったときは彼のオススメを聞くとしよう)


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