3 がさがさと罰ゲームを書いたメモとトランプがそれぞれシャッフルされる。 「よーし、じゃあカード引けよー!」 恐る恐る、あるいは迷いなく、それぞれがカードに手を伸ばす。 ……そして、その結果は。 「なんだ、千速が親かよ」 「なんだとは何だ!果凜は親ばっかやってっけど、オレ今日初めての親だぞ!」 「ハイハイ、わかったから早く進めてよ千速。あたし眠くなってきたや」 くあ、と大きなあくびをひとつしてちとせ。 誰が言い出したんだよ、と千速は聞こえないように毒づくが、ちとせの思いつきは今に始まったことではない。 うーん、と小さく考えて、千速は口を開く。 「じゃあ、5番」 各々、自分のトランプをゆっくりと確認する……が。 「あ、あたし4番」 「私は2番」 「俺は1」 「あたし6」 「7番だわ」 ……つまり、千速とってあまり考えたくない状況。 一同が緊張の面持ちで……あるいは楽しそうに、ゆっくりと千速が中央のトランプをめくる様子を見守る……と。 「…っ!」 そこに書かれていた数字は、紛れも無く5番。 「あっはは!千速、自滅してんじゃん!」 「千速、最後まで身体張ってんのな」 ヒィヒィと腹筋を引き攣らせながら、ちとせと果凜は爆笑し、まひるやあやめ、龍妃までも笑いを噛み殺している。 「ちっくしょー!やりゃあいいんだろ、やりゃあ!」 トランプを床に叩きつけ、額のメモを見る…と。 「……あ、」 小さく千速の顔が綻ぶ。 「…?あやめ、千速の罰ゲームって何て書いてあったっけ?」 「ごめんなさい、ちとせ。ちゃんと見てなかったわ」 同じように果凜と龍妃も首を傾げる中、まひるだけは何かを察知したのかニヤニヤと笑っている。 「ちとせ、その後ろの袋取って」 罰ゲーム用のアイテムが入った袋を千速に手渡すと、千速はその中から目当てのものを見つけ出す。 「龍妃、」 千速の手には、手の平より少し大きな箱。 そしてそれを見た瞬間、罰ゲームの内容はあっさり予想がついた。 床に置かれたメモには、こう書かれていた。 "隣の人とポッキーゲーム" 無論、その1分後に他のメンバーが見せつけられたのは、言うまでもない。 |