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「じゃー3番」

ごくり、と息を飲む音が響く。
恐る恐る手元のカードをめくり…、

「っぎゃー!またオレかよ!」

「馬鹿千速!小夏が起きるだろ!」

ガツ、と果凜の拳が千速の頭に振り下ろされる。
ぎゃ、と小さく悲鳴をあげて頭をさする。

「ほら、千速。さっさと罰ゲーム確認しなよ」

にやにやと果凜は千速を促す。
ぶちぶちと文句を言いながらも千速は額のメモを下ろす。

――事の始まりは、暇を持て余したちとせが「何か刺激的なゲームしようぜ!」と、言い出したことだった。
それならと果凜が王様ゲームを提案したが、それじゃあ普通すぎてつまらないということで始まったのが、このデビルレターゲームであった。

「げ…っ!」

千速のメモに書かれていた罰ゲーム。
"ハバネロスナックを1分で1袋完食すること"

「果凜!テメェだろこれ書いたの!」

クシャクシャとメモを丸めて投げ捨てる。
しかし果凜は数回瞬きをすると、

「あたしじゃねぇよ」

「ふざけんな!お前以外に誰がこんな悪質な――!」

「あら、千速。ごめんなさい、それは私だわ」

え、と振り向くとあまりに予想外だった人物が小さく微笑む。
どうやら彼女も適度に退屈していたようだ。

「マジかよ…あやめ」

がくりと肩を落とすと、目の前にスッと何かが差し出された。
視線でそれを辿ると、にっこりとちとせが笑みを浮かべている。

「はい、千速。いくよー、よーい…」

「え、ちょ、待てって」

「待たない!……どん!!」

いつの間に取り出したのか、ストップウォッチのスイッチが押される。
くそ、と小さく毒づき、千速はスナックをざらざらと口に流し込む。
途端に千速は顔を真っ赤にさせて悶え苦しむ。
差し出されたコップを奪うように手に取り、一気に空にする。

「千速、大丈夫?」

「サンキユ、龍妃…」

ぜぇぜぇと肩で息をする千速を、ちとせと果凜が指を指して笑う。

「よし、あと1ゲームやって終わりにすっか!」

時間も時間だし、とちとせが時計を見て言った。


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テーマ「人外ファンタジー」
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