3 「お…お見合いィ?!」 「はしたないですよ、ちとせさん。我が一族はポケモンと会話をする能力で栄えてきた一族…あなたにも、いい加減その自覚というものを持ってもらわないといけません」 「でも母様、あた…私が25を過ぎるまでは自由にしていいって…自分で好きな人を見つけていいって、」 「事情が変わってきたのです。…とにかく、これは絶対です。いいですね?」 母様の口調はそれは厳しいもので、有無を言わせないものだった。 ………回想終了。 どうやって部屋に帰ってきたのか、正直よく覚えてない。 ぱた、と部屋の扉を閉じた途端、あたしは床にへたり込んだ。 「おー、ちとせ。どうした、またこってり絞られたってか?」 そんな私を見たまひるがにやにや笑いながらあたしを見下ろす、が、それどころじゃない。 (正直ムカつくっちゃムカつくけど) 「まひる…どうしよう、」 「なんだよ、らしくねぇなぁ」 「まひる…ううん、あやめも小夏も果凜も千速も龍妃も、みんな、聞いて欲しいの」 順番に、モンスターボールからあたしの大事な友達を呼び出す。 「あら、ちとせ。あなたがそんなに落ち込むの、珍しいじゃない」 「ちとせお姉ちゃん、どうしたの?」 「どうしたんだよ、ちとせ。いつもの阿呆ヅラはどこ行ったんだよ?」 「千速、お前は黙ってな」 「まあまあ、果凜さん。千速だって悪気があったわけじゃないんだし、今はとりあえず…ね?」 相変わらず全員一度に集まると騒がしいことこの上ないけど、今はこの騒がしさが心地よくて、少し落ち着いてきた。 心配そうにあたしを見つめるぎゅっと小夏を膝に乗せて、あたしは今のことを話始めた。 |