3 「あ、あのー…それで、マツバさんとはどういったご関係でしょうか…?」 あれからきっちり10秒固まって、ようやくハヤトはそう口にした。 ツバサもその横で青い顔をしている。 …マツバ、お前キキョウで何やらかした。 「どういうもこういうも、ただの腐れ縁の悪友で幼なじみよ」 「じゃ、じゃあエンジュジム関係者じゃないんですね?!」 「好きなお茶の銘柄切らしてたからって、毎晩ゴーストタイプのポケモン送り込んだりしないですよね?!」 ハヤトとツバサは最早涙目だ。 かわいそうに、きっとマツバの機嫌悪いときに重なったに違いない。 「大丈夫、あたしはゴーストタイプは持ってないし、マツバほど性格悪くはないわよ」 (後ろで「頭は悪いけど」と聞こえたのは無視だ) 「よ、よかった〜」 へなへなと、ハヤトとツバサは同時に床にへたり込んだ。 …マツバ、本気で一体何をした。 この様子だと、多分何度もマツバに煮え湯(どころか煮え油かもしれない)を飲まされてるに違いない。 「なんてゆーかさ、とりあえずゴメン」 別にあたしが悪いわけじゃないけど、いたたまれない気持ちになってとりあえず謝る。 「あ、いや、ちとせさんが悪いわけじゃないですよ。俺の方こそ、急に取り乱してすみません」 我に返ったハヤトが、ようやく落ち着きを取り戻して言った。 「いーよ、別に。マツバが根性悪いのはよく知ってるし」 そりゃもう、おかげさまで逞しくは育ちましたけど。 「ところでさ、ハヤト」 あたしは今直面している最大の問題を口にした。 「あたし、お腹すいたんだわ。何か朝ごはん的なもの、ない?」 すると、ハヤトもツバサもポッポが豆鉄砲喰らったような顔をしたけれど、次の瞬間ぷっと吹き出した。 |