3 …ってことがあって、何のかんのしたあと。 結局、マツバに事の顛末をぶちまけることになった。 いらん横槍を入れてくるかと思ったけど、予想外にヤツは大人しくあたしの話を聞いて、時折「ふぅん」と、やけに真剣な相槌まで打ったのだ。 「…ま、つまりあれだよ。少し遅目の反抗期、ってやつ」 「お前らしいっていうか、何て言うか…ところで、その見合いの写真とかって見たのか?」 クツクツと苦笑しながらマツバは言った。 「そんなモン、見るわけないじゃん。ゆっくり考えたいとか口から出まかせ言って、部屋に山積みにしてあるわよ」 さすがにそれは母様も納得してくれて、3日後に返事を、ってことで解放してもらったのだ。 すると、マツバは少し不機嫌そうに眉を寄せた。 「ふーん、そっか。写真、見てないんだ」 「何よ、あたしが写真見てないと何か不都合でもあるの?」 「いや、別に。…で、お前はこれからどうするんだって?」 次の瞬間、マツバの表情は元に戻っていた。 今のは、あたしの気のせい? 「さっきあみだくじしたら、キキョウシティって出たから、とりあえずキキョウに行くよ」 「あみだかよ」 まひると似たようなツッコミをされた。 そういえば、マツバとまひるはなんだかんだで仲がいい。 うーん、まひるがマツバに似たのか、マツバがまひるに似たのか… 「キキョウに行くんだったらさ」 タマゴが先かポッポが先かのどうでもいいことを考えてたら、マツバがふいに口を開いた。 「ジムリーダーのハヤトって奴がいるんだけど、そいつに会ってみたらいい。なかなかいい奴だから」 「あたし、ジムには挑戦しないよ」 別にポケモンリーグとか目指してるわけじゃないし。 「別にジムリーダーだからって、ジムに挑戦しなきゃ会えないなんてことはないだろ」 言われてみれば、それもそうだ。 まあ、エンジュ以外ならうちの家名もそこまで響かないだろうし、行ってみてもいいかもしんない。 「ハヤトには、俺の紹介って言えばわかると思う」 「んー、わかった。ありがとね、マツバ」 目的も特にあるわけじゃないし、マツバが紹介してくれるってんなら、ハヤトって人んとこに行ってみるのもおもしろいかもしれない。 |