3 「それで、ちとせ。出発はいつなんだ?」 もう、誰も旅に出ることについては反対しない。 と、なれば次の問題はそこだった。 そして、それについては、もう答えは出てる。 「え、今日だよ」 「「「「「「は?!」」」」」」 うーん、またも見事なハモり具合。 仲良きことは美しき哉。 「え、なあちとせそれ正気?マジ?」 「いや…アタシも今回ばっかは千速に賛成だわ…ちとせ、急すぎないか?」 いつも果凜はあたしの味方をしてくれるけど、今回はさすがに驚いたみたいだった。 「急じゃないよ。旅に出るなら今日っていうのは、家を出るって決めたときから決めてたんだ」 ちょっとでもぐずぐずしたら決心が揺らぐかもしれないし、何より母様が感づきそうだし。 「もう荷造りは終わってるし、それにね!」 あたしはビシッとカレンダーを指差す。 「今日は大安吉日!絶好の旅立ちじゃない?」 何事も出だしがカンジン。 やっぱり、いい日に出発したいじゃん? 「まぁ、それならそれでいいんじゃないかしら?」 「旅するの、楽しそうだねー」 「あたしも楽しみ!夜、母様たちが寝静まったら出発だよ!」 それまでは体力温存。 最後に久しぶりにみんなで、畳に寝転がってお昼寝をした。 |