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「はい、注目ー!」

ぱんぱん、と手を叩くと、みんなの視線が一気に集まる。

「おい、ちとせ。お前熱出たばっかでその格好はやめとけ」

「え、いいじゃん。だって暑いし」

「いいじゃん、じゃねぇよ。目の毒だ」

まひるの言う"そんな格好"とは、キャミソールにぎりぎりまで短いパンツという、何とも夏を感じさせる格好。
季節を満喫するってスバラシイ。

「なぁにー欲情しちゃう?まひるってばセクハラー」

「だあほ!」

まひるの叱責にもめげず(あたしってば、なんてケナゲ!)、こほんと咳をひとつ。
気を取り直して、話を続けよう。

「昨日一晩つかって、あたしは考えた。旅に出ようと思います」

「「「「「「は?」」」」」」

おぉっ!
見事にハモって返すなんて、いいリアクション。

「だってね、このまま家で抵抗する方法なんて思い付かないし、ご飯とかで釣られて気付いたらお見合い会場でした、とかマジシャレになんないし」

「いやいや、エサに釣られるとか、今時野生のポケモンですらもうちょっと警戒心とかあるだろうよ」

「シャラップおだまり!果凜、千速にヘッドロックよろしく」

「はいよー」

ぱちんと指を鳴らせば、のっそり果凜が立ち上がって千速に狙いをつける。

「ぎゃ!悪い、悪かったちとせ!」

ぎりぎりと果凜の腕で頭を締められた千速(ざまみろ!)が助けを求めてるが、知ったこっちゃない。

「えー、千速のバカはほっといてー。他に何かある人ー?」

「でもよ、ちとせ」

さっきまで何か考える様子だったまひるが口を開いた。

「お前、料理とかできるワケ?家にいるみたいに、黙っててもメシが出て来るわけじゃねえぞ」

「ちっちっち。その辺は心配ご無用!龍妃ちゃんが料理はおろか家事全般、できるもんねー」

「人任せかよ!」

まひるのツッコミが、力いっぱい飛んだ。


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テーマ「人外ファンタジー」
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