1 「いい朝ですねぇ」 んー、と伸びを一つ。 きらきらと朝陽が気持ちいいです。 朝ごはん(なんと!朝ごはんつきなのですよ!)をいただいていると、アルターに会いました。 アルターはとても冒険が好きみたいで、だいたいは酒場で依頼を待っているみたいなのです。 「よう、ヴィオレット!お前、朝早いんだな」 「おはようございます、アルター。アルターもとても早いです」 「おう。朝はだいたい裏山で剣の練習してんだよ。ヴィオレット……名前噛みそうだな。ヴィオでいいか?」 「はいです!」 名前もなかったわたしですから、あだ名を付けてもらうというのももちろん初めてで……すごく、嬉しいです。 「じゃーヴィオな。ヴィオ、今度一緒に剣の練習するか?」 「いいのですか?!是非にお願いしたいのですっ!」 ガタッと椅子を蹴って立ち上がれば、アルターはそれを見てクックと笑いました。 「お前も案外血の気多いのな。よーし、じゃあそうだな……明日はちょっと厳しいか。三日後はどうだ?」 「大丈夫なのですよ」 「よーし、決まりだな!じゃあ三日後、朝飯食い終わったら裏山に来いよ」 「はい、わかりました!」 「うっし!そしたらオレ今から依頼入ってっから、そろそろ行くわ。三日後、忘れんなよ!」 「はいです!いってらっしゃい、アルター!」 「おう、じゃあな!」 そう言うとアルターは、颯爽と酒場から出て行ったのでした。 剣は弓以上に慣れないですが、きっと覚えておいて損はないのです。 でも、剣の練習はとても楽しみです! さて、朝ごはんも終わったことですし。 昨日の予定通り、今日は魔法学院に行って……あとは、コロナの街を散策してみることにしましょう。 「マスター、ごちそうさまでした!」 「おう、今日はどっか行くのかい?」 「はい、魔法学院に行ってみようと思うのです。あとは街をぐるっと回ってみようかと」 「そうかい。魔法学院はここを出て右に少し行った学術地区にあるぜ」 「ありがとうございます。いってきます、マスター!」 「おう、気をつけてな」 マスターの声に見送られて、わたしは酒場をあとにしたのでした。 |