1 「おまちどうさま。ポッポちゃん、元気になりましたよ」 「ありがとうございます、ジョーイさん!」 夕方。 なぎを新しく仲間に加え、私たちはキキョウのポケモンセンターに戻った。 ここ2、3日ですっかり顔なじみになってしまったジョーイさんとラッキーたちに挨拶をして、部屋に戻る。 「風音、出ておいでー」 ジョーイさんから受け取ったボールから風音をだしてやる。 ポポ、と一鳴き。 ぱたぱた、と軽く羽を動かす。 「風音ー!」 顔を見てようやく安心したのか、翡翠が風音に駆け寄る…が。 「あいた!」 まるで、うるさいと言わんばかりに風音は翡翠のおでこをつつく。 こうかは ばつぐんだ ! …うん、つつくは十分飛行技だから、少なくとも翡翠にはやめてあげようか。 うえーん、と翡翠が泣き付いてくる。 と、その拍子に無造作に置いてあった荷物が落ちて、中身が散らばってしまった。 よしよし、と翡翠をなだめて、もう片方の手で風音を撫でてやる。 「そうだ、風音。今日、新しい友達ができたんだよ」 こくん、と風音は首を傾げる。 「なぎ、」 おいで、と言おうとしたとき。 「……うっそ」 振り返ったその場にいたのは、ふわふわの髪に黒目がちなまあるい大きな瞳をした女の子。 まさか、と思い、視線を下に移すと、案の定というか何というか。 荷物が落ちた拍子に、飴まで一緒に散らばってしまっていた。 「もしかしなくても……なぎ?」 すると彼女は戸惑いつつも頷いた。 |