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「いけ!コラッタ!」

「風音!電光石火で先制して!」

30番道路。ヨシノシティからキキョウシティへ続く自然豊かな道。
その30番道路の一角で、ポケモンバトルが繰り広げられる。
一方は私の風音。
もう一方は、短パン小僧のゴロウくんのコラッタ。

風音は私の命令通り素早く動き、先制を決める。
怪我の件もあってか、コラッタ相手にかなり気合いが入っているようだった。
(もちろん、ゴロウくんのコラッタには罪はなく、彼を恨むのはお門違いではあるのだが)

しかし相手のコラッタもなかなか鍛えられているようで、一撃で倒すことはできず。

「負けるな、コラッタ!体当たりだ!!」

「風音!砂かけで目眩まし!」

キ、とこちらを見据えて向かってくるコラッタに目眩ましで砂をかけると、一瞬の隙が生まれた。
一瞬、しかし、私が風音に指示を出すには十分な隙が。

「風音!体当たり!!」

砂で視界を奪われ、周りの様子が見えなくなっていたコラッタに避けることはできず。
風音の体当たりを喰らい、戦闘不能となった。

「ああ、コラッタ!」

ゴロウくんは目を回しているコラッタに駆け寄り、お疲れ、とボールに戻してやる。
私も風音を抱き上げ、よくやったね、と撫でてやる。

「いい勝負だったよ、ありがとう」

ぎゅ、と握手をして、互いの健闘を讃える。
そうだ、とゴロウくんは言い、

「ねえ!ポケギアの番号交換しようよ!またカナエさんと勝負したいんだ!」

「うん!私もまた勝負したくなったら電話するね」

初めての、トレーナーとのバトル。
経験だけではなく、トレーナーとの友情が築かれる場でもあることを、改めて知った。


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