1 こちらの世界にきてから、2度目の朝を迎えた。 相変わらず外は清々しい青空で、今日もいい天気になりそうだ。 ふと隣を見ると、案の定というかなんというか。 蒼衣も風音も、元の姿に戻っていた。 おはよう、と皆を起こし、身支度を整える。 「さて!今日はキキョウまで行きたいねぇ」 窓の外を眺め、呟く。 荷物を持ち、私たちは部屋をあとにした。 翡翠と風音をボールに戻して、蒼衣を連れて歩く。 食堂で今日のお昼のおにぎりとポケモンフーズをもらって、いざ出発! よし、と気合いを入れて顔を上げると、向こうのほうに綺麗な着物姿の女の人が居た。 わぁ、いいなぁ…あんな着物、一度着てみたいな。 すると、私の視線に気付いたのかそれとも偶然か。 その女性は、こちらへ向かって歩いてきた。 と、思ったら、私の前で立ち止まる。 そして私の顔を見て小さく驚いたあと、まあ、と呟いた。 しかし、いくら綺麗な人だからって、じっと見られているのはなんだか居心地が悪くて、「あの…何かついていますか?」と尋ねた。 すると彼女は、コロコロと鈴の鳴るような美しい声で言った。 「あんさん、カナエはんとちゃいます?」 え…? どうして、私の名前… |