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なんだかとても不思議な気分。
ロケット団…彼らはこれから、どうするんだろうか。

「大丈夫だよ、カナエ。彼らはきっと、約束を守る」

ふと隣から聞こえてきた言葉に、口に出して考え込んでいたのかと恥ずかしくなったが、よく考えたら隣にいるのは蒼衣だ。
私の考えなど、お見通しなのだろう。
本人曰く、

「絶対読まれたくないだろうこととかは、不思議と入ってこないよ」

…だ、そうで。
多分、サーナイトに進化したことで力を制御できるようになったんだろう。

さっきまでロケット団員で溢れていただろうラジオ塔なのに、今はすっかりもぬけの殻。
ウィイン…と自動扉がゆっくりと開く。
その先に、待っていたのは。

「カナエさん!」

「大丈夫だったかい、カナエちゃん」

「ヒビキくん!それに…カイトさん!」

ラジオ塔半ばで別れたヒビキくんに、コガネ入りしてからなかなか連絡のとれなかったカイトさんが、揃って私を待っていた。
そして、

「君がカナエちゃんか…ありがとう、礼を言うよ」

グレーのスーツがよく似合う、初老を少し過ぎた頃の男性が一礼する。

「私がこのラジオ局の局長だ」

「あ、いえ…私は別に、」

「子供が謙遜などするものではないよ」

そう言って、局長は優しく笑う。
聞けば、局長はラジオ塔内ではなく、なんと地下に閉じ込められていたそうだ。
カイトさんはその捜査をしていたらしく、連絡が取れなかったのだと言う。
そのカイトさんが、さてと口を開いた。

「出て来たばかりで疲れてるとこ悪いんだけど、先にちょっと話を聞かせてもらえるかな?まだロケット団の幹部格が捕まっていないんだ」

「あ…はい、」

そうだ…彼らがどんな思いを秘めていようと、彼らのやっていたことは"不特定多数のみんな"にとっては"悪"なんだ。
彼らが内に秘めた優しさは、きっと私しか知らない。

私が頷いたのを確認すると、カイトさんは局長の方を向き、

「局長もすみませんが、少し捜査にご協力願えますでしょうか」

「ほっほ。構わんよ」

「助かります。では、一度署の方へ」

…と、いうわけで。
私たちはカイトさんに連れられるまま、交番へと場所を移動した。

私の冒険が、始まった場所。


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