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夜が明けた。
あれから少し泣いたせいで、少し目が腫れぼったい。
部屋を見回すと、蒼衣と翡翠が見当たらない。はて…?
身を起こしてぼんやりそんなことを考えていると、がちゃりとドアノブの開く音がした。

「あ、カナエちゃん。おはよう」

「おはよう、カナエ」

既に身仕度を終え、どこかに出てたらしい翡翠と蒼衣が戻ってきた。

「おはよ、蒼衣に翡翠。散歩?」

「ん?んー、散歩…かな?」

かな?って何だ。
何で疑問形なんだ。

「ま、気にしないでよ」

「うん、そのうちわかるよ」

どうも、はっきりしない。
まあ、別にラルトスやチコリータのときほど心配する必要もないんだろうけどさ。
それにしても、翡翠はともかく、蒼衣が自発的に早起きだなんて珍しい。


「ま、いいや。ほら、みんな起きなさーい!」

毎朝の日課のように、みんなを布団から引っ張り出す。
もぞもぞと動き出し、「おはよう、」と口々にもごもご呟いた。

『なんや…もう朝かいな』

いっとう眠そうな炬が大きなあくびをしながら言った。

「もう朝ですよー。ほらなぎ、」

デンリュウになって少し寝起きが良くなったとはいえ、相変わらず一番布団から出て来るのは遅い。
布団を剥がして、ようやくもぞりと起き上がった。

『あ…おはよう、カナエちゃん』

「おはよう、なぎ。さ、朝ごはん食べに行くよー」

そういえば、昨日晩御飯を食べてないせいか妙にお腹がすいてる。
意識してしまうとそれは一層で、お腹の虫がきゅうと鳴いた。

すると、連鎖反応のように次々にみんなのお腹も鳴り始めて、誰からともなく大笑いした。


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