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潮風の香る街、アサギシティに辿り着いたのは、陽も傾き始めた頃のこと。
港町というだけあって、今までの街にはない活気に溢れている。

「カナエ、アサギではどこに行くの?」

キョロキョロと物珍しそうに風音は辺りを眺める。
アサギシティかぁ…特にこれといって決めてきたわけじゃないけど、

「とりあえず、灯台かな?」

アサギの灯台。
夜の海を明々と照らすその明かりは、確かアカリちゃんというデンリュウが発していたはずだ。

「なぎ。なぎのお友達に会えるよ」

「本当?楽しみだわ」

嬉しそうに、なぎは顔をほころばせる。
もうすぐ陽が暮れるから、海を照らす様子が見れるはず。

「カナエちゃん、カナエちゃん。アサギは食堂のご飯がおいしいって!」

船乗りのお兄さんとなにやら話をしていた翡翠が、にこにこと戻って来た。
どうやら、ご飯のおいしいお店を教えてもらったらしい。

「じゃあ、今日の晩御飯はそこで食べよっか!」

あ、でも晩御飯にはまだもう少し早い。
そうだなぁ、せっかくだから灯台は夜に光っているときに見たいし…

「もうちょっと海のほうまで行って、船とか見に行こうか!で、ご飯食べて灯台に行こう!」

船はチケットがないから乗れないけど、見るだけならタダだもんね。
あ、そういえばアサギの次はタンバだっけ?
あそこ海を渡らなきゃ行けないはずだけど、どうしよう?
とりあえず、船着き場で聞いてみよう!
タンバまで船とか出てたらいいなぁ。

なんて考えながら、私たちは港の方へ向かった。


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