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街に着いたはいいものの、さてこれからどうしたものかと考える。
隣に居るラルトスの蒼衣は慣れない様子でキョロキョロと辺りを見回している。
と、いうかそもそもラルトスって何なんだろう。

「ラルトスはラルトス。でも僕は蒼衣」

あ、また心を読んだな。

「違う、勝手に入ってくる」

「いいよ、どうせそんなに重大なこと考えてるわけでもないし」

蒼衣だって、読みたくて読んでるわけじゃなさそうだし。
とりあえず今夜泊まるところを探そう。

キョロキョロと辺りを見回した、そのとき。

「君、ちょっといいかい?」

呼び止められ、え、と振り向くと其処には警察官。

「なん、でしょう…?」

悪いことをしたわけではないが、行く先が無いというよりも自分のことも説明できる自信が無いので、酷く声が震える。

「女の子がこんな夜に出歩いちゃ危ないよ。それに子供も一緒じゃ尚更だ」

「す、すみません…」

「送って行こう。家は何処だい?」

家…私の、

ぽろり。
ぽろり。

あれ…何で今頃、涙が出てくるんだろ。
私の、家。もう、帰れないのかな。

そんな私を見て困ったお巡りさんに、とりあえず着いておいで、と案内され、私と蒼衣は交番に居た。
温かいお茶が出され、一口口に含むとその味に何故か安心した。
蒼衣はと言えば、渋い味は好きではないのか変な顔をしながらちびちびとお茶を飲んでいる。

私が落ち着いた頃合いを見計らって、其の人は私に話をするよう促した。


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