1 窓から温かな光が部屋に差し込む。 結局あのあと、夜遅くまで話をしたり荷物の整理をしたりで、まだ少し眠い。 『カナエちゃん、おはよう!』 意外だったのが、翡翠が誰よりも早起きなことである。 本人曰く、 『だってお日様が出て来たらすぐ目が覚めるよ!』 …だ、そうで。 反対にいつまでも布団から出てこないのはなぎ。 自分の体温と相俟って、気持ちよくてなかなか出られないらしい。 (そりゃあ、あんなふわふわを着込んでたら気持ちいいわ) 起きるよ!とまだ3人包まってる布団を引きはがす。 (ちなみに、蒼衣と風音は起きてるらしいが布団が好きらしい) ようやく目が覚めたなぎが『おはよう、』とまだ眠そうな目で言った。 「おはよう、なぎ。ほら、朝ごはん食べに行くよー」 『うん、あと5分…』 ああ、駄目だ。完全に寝ぼけてる。 仕方ないからなぎを抱き上げて(静電気には慣れた)、私たちは食堂へ向かう。 今日の朝ごはんは何かなぁ…ミルクに卵にパンがいいなぁ。 せっかくコガネに来たんだから、今日はラジオ塔に行ってみたいなぁ… さすがにジョウト一の大都市なだけあって、いろいろ目移りしてしまう。 行きたいところが多くて困るなー…でも、コガネジムにも行かなきゃだし。 よし、今日はとりあえずラジオ塔とジムに行って、明日はまた明日考えよう! そうと決まればまずは腹ごしらえだ。 私は勢いよく食堂のドアを開けた。 |