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「あれ、カナエさんじゃん!」

なんだかんだでウバメの森を抜け、次の街…コガネシティへと向かう途中。
何だか久しぶりに聞く声に呼び止められた。
見ると少し先に、やはりというかヒビキくん。

「ヒビキくん!久しぶり!」

そんなにいうほど久しぶりでもない気はするけど、道中何だかいろいろありすぎて久々に会うような錯覚。

「カナエさん、今時間ある?俺のじいちゃん家、すぐそこなんだ!」

「わ、そうなんだ!行く行く!」

まだもう少し、陽の暮れるには時間がある。
それに、ヒビキくんともいろいろ話をしたいし、おじいさんの家からコガネシティはすぐそばらしい。
と、いうわけで。
私たちはヒビキくんのおじいさんの家にお邪魔することにした。

「ところでさ、カナエさん」

「何?」

「俺…今さ、ウツギ博士に頼まれて、アイツ…研究所からポケモン奪った奴追ってるんだけど、」

燃えるように紅い髪を持つアイツ…金銀編の、ライバル。
私はヨシノシティとマダツボミの塔で見かけたきりだけど。

「俺、この間ヒワダに行ったときアイツ見付けてさー。捕まえてやろうとしたら、バトルになっちゃって」

「へぇ、それで?」

「バトルには勝ったけど、逃げられた」

くそー、と悔しそうにヒビキくんは言う。

「そっか…私もウツギ博士に、彼を見かけたら何とかして欲しいって頼まれてるんだ」

「カナエさんも?」

私は頷く。

「アイツ、シルバーって名前だよ。俺、トレーナーカード見たんだ」

シルバー、くん。
やっぱり金銀編のライバルなんだ。

「わかった、ありがとね。ヒビキくん」

「いいって!…あ、そこの家じいちゃん家!」

おーい、と民家の前に佇む老人にヒビキくんは手を振る。
どうやらあの人がヒビキくんのおじいさんみたいだ。


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