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ポケモンセンターでの回復を終え、皆元気になったところで、いざウバメの森へと足を踏み入れた。
まだ昼間だというのになんだか薄暗い、けれど、木漏れ日が差し込んでいてすごく綺麗。
翡翠もなんだか楽しそうにちょこちょこと着いてくる。

さくさく、と毛足の短い草を踏み分けるのが心地よい。
ここなら、みんなを出してあげても大丈夫かな?

おいで、と皆をボールから出してやると、皆気持ち良さそうにのびのびとしている。
風音は進化して大きくなった翼を広げ、ばさり、と羽ばたいた。もう、怪我をしていた面影はない。

そういえば、蒼衣…というか、ラルトスって進化するのかな?
今まであまり気にしていなかったけれど、そういえば私は新しいポケモンについては何も知らない。
蒼衣が進化したらどんな子になるのかなぁ…

なんて考えていると、風音がまた翡翠をいじり始めたみたいだ。
チコ、チコ!と翡翠が慌てて走って私の後ろに隠れる。
元々相性的にも風音の方が強い上に、進化したら殊更頭が上がらないんだろうなぁ。

「こら、風音!翡翠いじめちゃ駄目でしょー」

ピジョ、と風音が楽しそうに鳴いた。進化してもおてんばさんなのは相変わらずだ。

お腹もすいてきたし、そろそろお昼にしようかな、と思い始めたとき。

シャラララ

音が、聞こえた。
え、と辺りを見回しても森が広がるばかりで何もない。
そろそろ気のせいと片付けることもできないくらい、この鈴の音を聴いている気がする。
おかしいなぁ、と首を傾げたとき。

声が、聞こえた。



…で……おいでませ…
我……み……んの…君…



多分、それは無意識…というより、何かに引き寄せられるように。
ふらり、と私は立ち上がり、声に誘われるように歩き出した。



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