3 「嘘…!」 アタシの話を聞いて、カナエは信じられない、と呟いた。 「嘘も何も、ホントよぅ。多分、カナエが言った男の人と同じ人だわよ」 おかしな人だな、とは思ったけれど。 まさか、カナエとバトルしていた、なんて。 でも、それなら別れ際に呟いていた言葉もつじつまが合う。 "彼女"は、多分…カナエ。 カナエの話を聞いてると、すごくひどい奴なんじゃないかなって思ったけど…あの人が何を考えて、アタシにカナエたちを助けに行くよう言って、すまないと謝ったのかはわからない。 わからないけれど、 「ね、カナエ」 「なに、風音」 「やっぱさ、そいつ見付けて…んで、どういうつもりか話し聞いてみようよ」 難しいことはアタシにはわかんない。 もしかしたら、ただの気まぐれかもしれないけれど。 心のどこかにそういう意識がないと、きっとなんな行動はしないはずだから。 「うん…そうだね!ありがとう、風音!」 なによぅ、私何もしてないわよぅ。 あははは、と、ようやく部屋に笑い声が響いた。 やっぱり、湿っぽいのよりはこうでなくっちゃ! 明日はジム行くよー、とカナエが言った。 アタシは明日こそ活躍してやる、と固く心に誓った。 |