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「嘘…!」

アタシの話を聞いて、カナエは信じられない、と呟いた。

「嘘も何も、ホントよぅ。多分、カナエが言った男の人と同じ人だわよ」

おかしな人だな、とは思ったけれど。
まさか、カナエとバトルしていた、なんて。

でも、それなら別れ際に呟いていた言葉もつじつまが合う。
"彼女"は、多分…カナエ。

カナエの話を聞いてると、すごくひどい奴なんじゃないかなって思ったけど…あの人が何を考えて、アタシにカナエたちを助けに行くよう言って、すまないと謝ったのかはわからない。
わからないけれど、

「ね、カナエ」

「なに、風音」

「やっぱさ、そいつ見付けて…んで、どういうつもりか話し聞いてみようよ」

難しいことはアタシにはわかんない。
もしかしたら、ただの気まぐれかもしれないけれど。
心のどこかにそういう意識がないと、きっとなんな行動はしないはずだから。

「うん…そうだね!ありがとう、風音!」

なによぅ、私何もしてないわよぅ。

あははは、と、ようやく部屋に笑い声が響いた。
やっぱり、湿っぽいのよりはこうでなくっちゃ!


明日はジム行くよー、とカナエが言った。
アタシは明日こそ活躍してやる、と固く心に誓った。


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