10 爆風がおさまり、私は蒼衣の姿を捜す。 「蒼衣…蒼衣!」 爆発の衝撃で、蒼衣の受けたダメージは大きい。 私はぐったりとした蒼衣を抱え、何度も名前を呼ぶ。 コツリ、と足音がこちらに近付いた。 「しかし、解せませんね…どうして、たかだかヤドンのためにそんなに必死になれるのか」 「貴方は…こんなことをして、心が痛くならないんですか?!」 頬を熱いものが伝う。 泣いているんだ、私は。 何に? ヤドンのこと、蒼衣のこと。 いろいろありすぎてわからない、けれど。 「なりませんね。ああ…貴女のお陰で今回の任務が失敗してしまったことについては、心痛みますがね」 ランスさんはふん、とこちらを一瞥し、 「まあ、今日のところは…そうですね、貴女の勇気にでも免じてこれくらいにしておきましょう。貴女…名前は?」 「カナエ……あ、」 「カナエさん、覚えておきましょう。次に会うことがあれば…容赦はしませんよ」 では、ご機嫌よう。 そう言って、ランスさんは立ち去った。 私は風音が迎えに来るまで、その場から動くことができなかった。 |