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「べっつに、私だって切りたくてヤドンのしっぽなんて切ってるわけじゃないけどさァ。私にとっては、ランスさんの命令のが大事だし?ランスさんが切れって言うなら、切るだけだわ」

ひょい、と肩を竦めて悪びれもせず女のロケット団員は言う。
バトルのあと、どうしてこんなことをするのか…私とそう変わらないくらいの女の子に聞いてみたのだけれど。
返ってきたのは、そんな、答え。

「先、進めば?で、アンタなんかランスさんにやられちゃえー」

きゃはは、と笑って彼女は言う。
複雑な気持ちになりながらも、私は彼女に背を向けた。

それから数名のロケット団員に遭遇したけれど、翡翠やなぎのお陰で撃破できた…が、そろそろ疲れが見え始めている。
これはちょっとまずいなぁ、なんて思っていると、隣に居た蒼衣がちょいちょいと袖を引いた。

「カナエ」

「どうしたの、蒼衣」

「僕、ラルトスに戻る」

その方がいいでしょ、と言い、蒼衣はラルトスの姿へと変化していく。

「蒼衣…あんた、いつの間に、」

自分の意志で姿を変えることができるようになったのか。
…あ、でもウツギ博士が言ってたっけ。
慣れたら自由にコントロールできるようになる、って。
蒼衣は一番長く擬人しているし、まあ、そういうことなのかな。

ともかく、蒼衣がラルトスに戻ったことで戦力も増えた。
ロケット団員は毒タイプの使い手も多いので、正直心強い。
よし、と気合いを入れ直し、その奥を目指して、私たちは更に突き進んだ。


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